2025 年 8月 16日 (土)
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韓国・李在明大統領、訪米前に日本で首脳会談…日韓協力を安全保障交渉の「てこ」に

石破茂首相と会談するイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)news1

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が8月23日から24日まで日本を訪問し、石破茂首相と会談する。これは同月25日に米ワシントンで予定されているトランプ大統領との米韓首脳会談を前に、日韓協力の姿勢を強調し、それを安全保障協議の「てこ」として活用する戦略とみられる。

大統領室のカン・ユジョン報道官は13日の記者会見で、イ・ジェミョン大統領が訪米前に日本を訪れ、石破首相との首脳会談および晩餐を予定していると発表した。イ・ジェミョン大統領は今年6月、カナダで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議の場でも石破首相と会談している。

今回の訪日は、両国の協力関係をさらに強固にするための意志を示すものと評価されている。

カン報道官は「首脳会談では、韓日両国の未来志向的協力の基盤を固め、韓日および韓米日による連携の強化、地域の平和と安定、そしてグローバルな課題についても率直な意見交換が進められるだろう」と述べ、「両首脳の個人的な信頼関係も一層深まることを期待している」と語った。

イ・ジェミョン大統領が訪米に先立ち訪日する背景には、米韓首脳会談で焦点となる「同盟の現代化」や在韓米軍の戦略的柔軟性、国防費の負担増などに対する米側の要求を見越した布石という側面がある。

イ・ジェミョン政権としては、米韓同盟の強化と対中関係の安定という難題のバランスをとる中で、日本との連携姿勢をあらかじめ示すことで、米国に対して建設的なメッセージを送る狙いがある。

国立外交院のミン・ジョンフン教授は「米国にとって韓米日協力はインド太平洋戦略や対中抑止のカギである」としたうえで「韓日関係の冷え込みがこれまでの障害だったが、進歩系政権の誕生後にワシントンでは懸念の声が出ていた。今回の訪日はそうした懸念を払拭しようとする動き。日本との関係が良好であることを強調することこそが、訪米前に訪日する最大の理由だ」と指摘した。

今回の日韓首脳会談では、シャトル外交の再開や未来志向的な協力の枠組みについて協議が進められるとみられる。6月の会談では、両首脳がシャトル外交再開の意志を再確認していた。当時、イ・ジェミョン大統領は「小さな違いはあるが、それを乗り越えて韓国と日本が多方面で協力し合い、互いにとって利益となる関係に発展することを望む」と述べていた。

今回の会談も、歴史問題よりも未来志向の関係構築に重点が置かれる見通しだ。外交関係者の間では、8月15日の光復80周年演説でも、イ・ジェミョン大統領が過去に言及しつつも「未来」に焦点を当てたメッセージを発信するとの見方が広がっている。

(c)news1

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