2025 年 11月 24日 (月)
ホーム社会AIに押し出される40〜50代…韓国企業でリストラの冷風

AIに押し出される40〜50代…韓国企業でリストラの冷風

ソウルの西部雇用福祉プラスセンター(c)NEWSIS

生成AIなど人工知能の進化と景気低迷の余波で、グローバルおよび韓国の主要IT企業が40〜50代の中間管理職層を中心に大規模な構造調整(リストラ)に乗り出している。特に高学歴・高所得のホワイトカラーが対象となり、「AI世代交代」の現実を象徴する動きが進む。

米マイクロソフト(Microsoft)は、2025年に入り3度目となる約9000人規模の追加人員削減計画を発表した。1月の約1000人の成績不良者対象の整理、5月の6000人削減に続く過去最大級の規模で、主に40〜50代の中間管理職層がターゲットとされている。会社側は、組織の柔軟性と効率性の強化を理由に掲げている。

韓国国内のIT企業も同様の流れにある。通信大手KTは最近、2800人規模の大規模希望退職を実施した。大半が50代の課長級職員だったとされる。LGユープラスは3年ぶりに希望退職を再開し、満50歳以上かつ勤続10年以上の社員に対しては最大4億ウォン(約4400万円)規模の慰労金と子女の学資金支援などを提示。1968年以降生まれの社員に対しては年俸の最大3倍まで支援するなどして、事実上の名誉退職を誘導している。

SKテレコムも退職慰労金の上限を従来の5000万ウォンから3億ウォンに大幅引き上げ、組織の世代交代を加速させている。

こうした構造調整の動きは、採用市場にも直接的な影響を与えている。人材・採用プラットフォームの「サラムイン」によると、2025年第1四半期における韓国IT業界の求人公示数は前年同期比で13.4%減少した。なかでも需要が堅調だったはずの経験者向け開発職求人も5.3%減少した。

AIの導入が単純労働者のみならず、管理職や専門職にも大きなインパクトを与えており、「中高年のホワイトカラー=安泰」という図式が崩れつつある。熟練の技術や経験が重視される職域でさえも、コスト削減と効率性の論理の前では早期退職や再配置の対象となっているのが現状だ。

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