2025 年 10月 24日 (金)
ホーム社会10年勤めた警備員、理由も知らされず解雇…韓国・業者交代で“半数が職失う”

10年勤めた警備員、理由も知らされず解雇…韓国・業者交代で“半数が職失う”

写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1

ソウル市九老区にあるマンション群で、警備業務を請け負う用役業者が交代したことにより、既存の警備員35人のうち約半数の15人が契約更新されず職を失った。新業者は面接を実施したものの、結果の通知は契約終了前日にわずか2人の班長にしか知らされず、他の警備員は同僚を通じて初めて自らの不採用を知るという異例の対応だった。

10年以上そのマンションで勤務してきた60代の男性警備員は「何の説明もなく追い出されたことが悲しい。突然職を失い、これからの生活が不安で仕方ない」と心情を語った。不採用となった警備員の多くは高齢で、基礎年金(月30万ウォン程度)以外に収入源がないケースも多いという。

採用基準の不透明さも問題視されている。ある警備員は「落とされた中にも仕事ができる人はいた。なぜ採用されなかったのかの説明もないのは、明らかな問題」と指摘した。

新たな用役業者は「マンション管理会社が変更されたことであり、新規採用は通常の手続きである」として、今回の件は「不当解雇には該当しない」と主張している。

しかし近年の司法判断では、業者交代時の「雇用継承期待権」を広く認める傾向にある。2025年5月には、ソウル行政裁判所が「業者が変更されても、業務内容が同じであれば、合理的理由なく既存従業員の継続雇用を拒否することはできない」との判断を下している。これは、警備員が新業者への雇用継続を当然と期待できる状況があったかどうかを重視する判例だ。

この法理の重要な判断基準には▽契約書における雇用継承に関する明示・黙示の約定の有無▽過去の業者交代時における雇用継続の慣行▽業務の継続性▽交代の理由――などが含まれる。

一方で、新たな業者が「人員削減の必要性」や「経営改善のための再編」「業務評価に基づく合理的判断」などを根拠とすれば、雇用継続を拒否しても違法とならない可能性もある。

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