
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏が特別検察チームの召喚に応じる予定であることが明らかとなった。特別検察による前ファーストレディの召喚が公開されるとみられ、政治的・社会的な波紋が広がっている。
法曹関係者によると、キム・ゴニ氏は6日午前10時、ミン・ジュンギ特別検察チームによって被疑者として召喚される予定で、ユン前大統領と同様にフォトラインを通過して取り調べ室に入る形式になると見られている。
キム・ゴニ氏はこれまで検察の複数回の召喚には応じておらず、2024年7月にソウル中央地検で受けた取り調べも非公開だった。だが今回の特別検察による取り調べには出頭の意思を示しており、公開召喚を受ける初の前ファーストレディとなる。
キム・ゴニ氏を巡る疑惑は▽ドイツモーターズ株価操作事件▽高級ブランドバッグの不正受領▽私人による国政介入▽コバナコンテンツをめぐる収賄性協賛金▽国会議員選挙への関与および公認取引疑惑▽ソウル―楊平高速道路の路線変更や楊平の不動産開発介入疑惑――など16件に上る。
特に特検チームは、今回の召喚でドイツモーターズと三扶土建に関する株価操作疑惑や、シャーマン「乾真法師」として知られるチョン・ソンベ被告に関連した便宜供与の可能性、キム・ゴニ氏の周辺人物・キム・イェソン氏との関係に焦点を当てると見られる。
キム・ゴニ氏の召喚を前に、特検チームはすでに野党「国民の力」元公認管理委員長のユン・サンヒョン議員や改革新党のイ・ジュンソク代表に対する捜査を進めており、2022年の再・補欠選挙への関与疑惑の解明を急いでいる。特検側は、大統領選を前にキム・ゴニ氏側が政治ブローカーから無償で世論取り調べデータを提供された見返りに、キム・ヨンソン元議員を公認させたのではないかと疑っている。
また、ドイツモーターズ事件の核心人物であるクォン・オス元会長や、当時コバナコンテンツ社の社内理事であった元SBSアナウンサー、キム・ボムス氏も既に取り調べを受けている。
キム・ゴニ氏の供述内容次第では、ユン前大統領をはじめとした他の主要関係者への捜査も進むとみられ、注目が集まっている。
取り調べ内容が多岐にわたるため、特検側は6日の1回の出頭では完結しない可能性を示唆している。ムン・ホンジュ特別検察補は「1日ではとても終わらない」と述べ、複数回の召喚取り調べを念頭に置いている。
一方、キム・ゴニ氏側の弁護団は「健康上の理由から長時間の取り調べは困難だ」として▽容疑ごとの分離取り調べ▽取り調べ日程の間に3~4日間の休養▽午後6時以前の取り調べ終了――といった要望を特検チームに提出していた。
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