
これまで実用性重視の主婦層が主な購買層とされ、あまり奇抜なマーケティングのなかった韓国の洗濯洗剤市場が、若年層を意識して大きく様変わりしている。単身世帯の増加や「コンビニで買い物を済ます」いわゆる「コンビニ買い族」の登場により、洗剤市場でもキャラクターコラボや可愛らしいノベルティを活用したオンラインイベントなどが活発化している。
韓国の大手日用品企業ライオンコリアが展開する洗剤ブランド「BEAT」では、全カプセル洗剤のうち「ウルトラコンパクト・カプセル洗剤」が6月時点で売り上げ全体の71%を占めたという。
この製品は4kg以下の少量洗濯に適した小容量カプセル洗剤で、従来の7kg用洗剤では量が多すぎて使いづらかった1人暮らし世帯向けに開発された。可愛らしいパッケージデザインと共にコンビニでの取り扱いが拡大し、売り上げも増加傾向にある。
ライオンコリアは、1人暮らし世帯を明確にターゲットにした製品展開を強化。BEAT関係者は「従来の製品は一度に多くの洗濯物を必要とするため、単身者は洗濯物をためないと使えなかった。だが今はゴルフ、テニス、キャンプといったアクティブな生活の後、すぐ少量だけ洗濯したいという需要があり、それに応える設計をした」と語った。
また、製品容量だけでなく販売チャネルもオンラインやコンビニに拡大。とくに「コンビニ買い族」を狙い、人気キャラクター「ZANMANG LOOPY」とのコラボパッケージを採用し、目を引く外観に仕立てた。春や夏など季節に合わせて香りとパッケージを変えるなど、トレンド性を前面に打ち出している。
この「ZANMANG LOOPY」とのコラボは若年層の心を掴んだ。カカオトークで6月販売された夏限定コラボ商品の購入者のうち、30代以下が43%を占めた。これは、過去5回のイベントで平均31%だった同層の比率を大きく上回る。またLOOPYをあしらったスマートトック(スマホグリップ)を配布するインスタグラム企画も、若者層に好評を得ている。
ライオンコリア関係者は「新しさと個性を重視するMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)との接点を強化し、ブランド認知を高める目的で今回のコラボを企画した。今後も若年層とのコミュニケーションを活発化させ、若々しいブランドイメージを継続していく」と語った。
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