2025 年 8月 8日 (金)
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中国の事業家が北朝鮮スマホ工場視察…合弁・投資誘致の動きか

中国の事業家が視察した北朝鮮のスマートフォン製造工場内部=中国SNS「小紅書」(c)news1

中国の事業家が北朝鮮のスマートフォン工場を訪問し、その内部映像をSNSで公開したことが注目を集めている。北朝鮮との合弁事業や投資誘致の可能性を示唆する動きとも受け止められている。

この映像は中国東北部・遼寧省瀋陽市を拠点に活動しているとみられる事業家が7月23日、自身のSNS(小紅書)に「(北)朝鮮携帯電話工場の調査研究」と題して投稿したもの。映像には、空色の作業服とビニールキャップを着用した北朝鮮の労働者が、モニターの前に座り作業に従事している様子が映っている。

別の区域では、同工場で製造されたとみられるスマートフォンが展示されており、製品パンフレットの下部には「チェコム技術合営会社」の社名が明記されていた。同社は、北朝鮮の代表的スマートフォン「平壌」シリーズの製造を担う国家系企業だ。

映像には「平壌2435」をはじめとする最新モデルのスマートフォンやタブレット端末なども登場した。また、工場内には社員用食堂、プール、バドミントンコート、バスケットボールコートといった福利厚生施設も整備されていた。

韓国の情報通信政策研究院が発行した「2024年 北朝鮮の放送通信利用実態調査報告書」によると、北朝鮮における携帯電話の製造は保安上の理由から、情報産業省傘下のチェコム技術合営会社が生産を一手に担っているという。

「平壌」シリーズは、2012年の「平壌2404」から始まり、「平壌2405」「平壌2417」(2016年)▽「平壌2419」「平壌2423」「平壌2425」(2019年)▽「平壌2428」(2020年)――と継続的にアップグレードされてきた。デザインには大きな変化はないものの、OSのバージョンやメモリ、カメラ性能の向上が見られるという。

さらに報告書では、生産とブランド開発が分業されている点にも言及している。製造はチェコム社が担当し、ブランド開発および販売は万景台情報技術社、アリラン情報技術交流社などが担っているとされる。

今回の視察した中国人事業家は、訪朝中に市場調査として大城百貨店や大同江遊覧船レストランなども訪問。北朝鮮の企業関係者との会合の様子も映像で公開し、北朝鮮ビジネスに対する強い関心を示している。

このような動きから、北朝鮮と中国の間で合弁事業や投資誘致をめぐる協議が水面下で進行している可能性も指摘されている。

(c)news1

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