
韓国の青年就業者数が6月、19年ぶりに最大幅で減少した。企業の即戦力志向や青年層の首都圏志向といったミスマッチが深刻化し、内需低迷や対米輸出への関税負担といった複合的要因も雇用悪化に影響を与えているとみられる。
統計庁の国家統計ポータル(KOSIS)によると、6月の全体就業者数は2909万1000人で、前年同月比18万3000人増だった。一方で、60歳以上の高齢層の就業者数は704万2000人と、34万8000人増加したのに対し、青年層(15~29歳)は362万5000人で、前年の379万8000人から17万3000人も減少した。
これは2006年の18万4000人減に次ぐ規模で、6月としては過去5番目に大きな減少幅となる。青年就業者は2022年11月から32カ月連続で減少中であり、6月の青年雇用率は45.6%と、2024年5月から14カ月連続で低下している。あわせて「何もしていない」20代の人口も39万6000人に達し、こちらも14カ月連続で増加している。
雇用の減少要因としては、製造業で8万3000人、建設業で9万7000人の減少が大きいと分析されている。また、企業側が経験者を優遇していることも新卒や若年層にとって不利に働いている。
大韓商工会議所によると、2025年上半期に民間就職サイトに掲載された求人14万4181件のうち、経験者のみを募集していた求人は全体の82.0%に達し、新卒限定の求人はわずか2.6%にとどまった。
大企業の若年層雇用も減少している。企業情報専門機関CEOスコアによると、持続可能性報告書を公開している大手67社の2024年の社員構成では、20代の割合が21.0%と、2022年の24.8%から3.8ポイント低下し、人数も2年前より4万7498人(16.4%)減少していた。
さらに、就職希望者の多くが首都圏勤務を希望していることも雇用ミスマッチの一因とされる。就職支援プラットフォーム「進学社キャッチ」の調査によると、回答者の63%が「地方企業には就職したくない」と回答。その理由として「住宅・生活・教育インフラの不足」が55%で最多だった。
延世大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「大企業志向が強まり、雇用の総量も減少しており、ミスマッチが深刻化している。新産業分野での競争力を高め、新たな雇用創出が必要だ」と指摘した。
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