
米オープンAIで次世代マルチモーダルAI「o1」の開発に携わった韓国人研究者、チョン・ヒョンウォン博士が、ザッカーバーグCEO率いる米IT大手メタの新設研究組織「メタ・ スーパーインテリジェンス・ラボ(MSL)」に移籍することが明らかとなった。
米IT専門メディア「ワイアード」などの報道によると、チョン・ヒョンウォン氏はオープンAIの研究員であるジェイソン・ウェイ氏とともに、近くMSLへと合流する見通しだという。
チョン・ヒョンウォン氏は2019年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得後、4年間にわたり米グーグルのAI研究組織「グーグル・ブレイン」で大規模言語モデル(LLM)と推論モデルの研究に従事。2023年2月からはオープンAIに所属し、「o1」や「Deep Research」プロジェクトなど、主要AIシステムの開発に深く関与してきた。
特にo1では、韓国語の文法が崩れた“外語風”の文章を英語に的確に翻訳する性能を実演し、その推論能力の高さを示した。チョン・ヒョンウォン氏は「形式が崩れた韓国語は韓国人にはすぐ理解できるが、AIには難易度が高い。こうした推論能力こそがo1の真骨頂だ」と述べていた。
今回の移籍は、メタが進めるAI分野の人材争奪戦の一環であり、ザッカーバーグCEOによる“総力戦”的な動きとみられる。メタは6月末にMSLを新設し、オープンAIやグーグル・ディープマインドから主要人材の引き抜きを強化。これまでに10人以上のオープンAI出身者がメタへと移籍している。
(c)news1