2025 年 7月 18日 (金)
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韓国サムスン電子・李在鎔会長、10年にわたる司法リスクに終止符…経営の舞台に本格登板

韓国サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長(c)news1

韓国サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長が、10年近く続いた「司法リスク」をついに解消した。経営活動が正常化されることで、大規模な戦略的投資やグローバル企業との協業が加速すると期待されている。ただ、目前の課題も少なくない。特にサムスン電子は、最先端半導体事業において深刻な危機に直面しており、イ・ジェヨン会長のオーナーシップによる「超格差」競争力の回復が切実に求められる。

大法院は17日、不当合併・会計不正の罪に問われていたイ・ジェヨン会長の上告審で、無罪判決を下した。

イ・ジェヨン会長は2015年の第一毛織とサムスン物産の合併過程において、虚偽事実の公表や相場操縦などの違法行為に関与したという罪で、2020年9月に起訴されていた。サムスンオーナー一族の継承作業に有利となるよう、第一毛織とサムスン物産の合併比率(1:0.35)を不正に決定したというのが主な内容だ。

だが裁判所は、一審・二審ともに19件すべてに対して無罪を言い渡した。捜索の過程で検察が適法な手続きを踏んでいなかったと判断し、違法に収集された証拠には証拠能力がないとした。

その後、検察は無理な起訴だという批判にもかかわらず、今年2月に上告を進めた。ただ、裁判所はイ・ジェヨン会長とチェ・ジソン元未来戦略室長らサムスンの元・現職幹部および会計法人関係者ら被告14人に対する上告も棄却した。

イ・ジェヨン会長は、不当合併に関する裁判が始まってから4年10カ月ぶりに、関連する罪を完全に晴らすこととなった。2017年2月、パク・クネ(朴槿恵)政権の国政介入事件で懲役2年6カ月の判決を受けた件も含めれば、9年以上続いた司法リスクが解消されたことになる。

これにより、イ・ジェヨン会長の経営活動は一層広がることが期待されている。

これまでサムスンは、イ・ジェヨン会長を取り巻く司法リスクのため、大規模な戦略的投資やM&A(企業の合併・買収)などに制約を受けてきた。2017年の「ハーマン」買収以降、目立ったM&Aが実現していないことがその証拠だ。

実際、サムスンは今年2月にイ・ジェヨン会長が二審で無罪判決を受けて以降、未来の新たな成長動力の確保に向けた準備を本格化している。今年上半期からは、米国のマシモ(Masimo)のプレミアムオーディオ事業部門、欧州最大の空調機器メーカー「フレクト(Fläkt)」、米国のデジタルヘルスケア企業「ジェルス(Xealth)」など、世界の有力企業を相次いで買収してきた。

イ・ジェヨン会長自身も、今年2月にはオープンAIのサム・アルトマンCEOやソフトバンクの孫正義会長と3者会談を開き、AI分野での協力を話し合った。翌月には10年ぶりに中国を訪問し、世界主要企業のCEO30人余りとともに習近平国家主席と会見した。

また、シャオミやBYDなどの現地電気自動車企業とも車載分野で協議を進めていたことが知られている。今月には米国アイダホ州のサンバレーリゾートで開かれたサンバレー会議にも出席している。

半導体分野の競争力を回復するための特別な対策が急務だという声も上がっている。最近、サムスン電子はHBM(高帯域幅メモリ)の商用化の遅れや、3ナノメートル以下の最先端ファウンドリ工程での顧客確保の難航など、高付加価値の半導体事業において不振が続いている。中国の後発企業も技術力と生産能力を急速に引き上げている傾向にある。

(c)KOREA WAVE

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