2025 年 7月 18日 (金)
ホームライフスタイルトラベル音で巡るソウル…五感を呼び覚ます「聴覚の旅」4選

音で巡るソウル…五感を呼び覚ます「聴覚の旅」4選

オディウム外観=ソウル観光財団(c)news1

音をテーマに五感を刺激する体験ができる施設が、ソウル各地に登場している。圧倒的な音響が広がるオーディオ博物館「オディウム(Audeum)」、国立中央博物館の「空間_サイ」、早朝の鐘の音で一日を始める山寺「真観寺(チングァンサ)」、完全な暗闇の中で声の震えに耳を傾ける「暗闇の中の対話」まで、音に焦点を当てた“聴くソウル旅”が注目されている。

「オディウム」は、世界的にも珍しいオーディオ専門の博物館で、建築は東京オリンピック主会場も手がけた日本の建築家・隈研吾氏が設計を担当。外観を覆う2万本以上のアルミパイプと木材が、都市の中に自然の光と音を呼び込む設計となっている。高さ9mの空間には、100年以上にわたるオーディオの進化を伝えるアンプやスピーカー、蓄音機などが展示され、約100分の観覧が可能。入場は予約制で、2週に1度、火曜午後2時から予約が開始される。

国立中央博物館は、2024年の世界来館者数で8位となり、アジア博物館1位の地位を確立した。常設展には1万点以上の遺物が並ぶが、注目は「空間_サイ」と呼ばれる体験展示。ここでは、朝鮮時代の大鐘「聖徳大王神鐘」の音響特性を聴覚・触覚・視覚で体験でき、振動を感じられるシェイカー付きの椅子や、鐘を構成する素材の触覚体験も用意されている。

また、「思惟空間」では、わずか2体の半跏思惟像だけを展示し、静けさの中で深く思考に耽ることができる。子ども連れには「子ども博物館」も人気で、触って遊びながら韓国の伝統文化を学べる構成となっている。

ソウルの北部・北漢山のふもとにある真観寺は、自然と歴史が調和した都市の中の癒しスポット。高さ160cmの大鐘が、毎朝28回、夕方33回打ち鳴らされ、その音は煩悩を打ち払うとされる。境内には1700年の伝統を受け継ぐ寺院料理の研究所もあり、精進料理を体験できる。

そして「暗闇の中の対話」は、完全な暗闇の中で視覚を奪われた状態での交流体験だ。視覚障害のある案内人の導きにより、100分間、耳・皮膚・声などの感覚に集中する。北村(プクチョン)で開催中の展示は「回想・記憶・思い出の展覧」をテーマとし、個人の感覚と記憶を刺激する構成。1回8人までの予約制で、身近な人との新たな発見をもたらす“非日常”の時間を提供する。

(c)news1

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