2025 年 7月 11日 (金)
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日本から戻った文化財、韓国で公開されるや「うわあ」と感嘆…保存状態が完璧

2025年7月8日、ソウル市鍾路区の国立古宮博物館で開催されたメディア公開会(c)MONEYTODAY

ソウル市鍾路区の国立古宮博物館で7月8日、「紺紙金泥 大方広仏華厳経 巻第二十二」と「十王図」が一般に公開されると、来場者からは思わず感嘆の声が上がった。いずれも日本に流出していた国の文化財で、それぞれ今年と昨年に韓国に戻された。専門家らは、高麗および朝鮮時代の仏教文化をそのまま伝える遺産の還収に大きな意義があると口をそろえた。

国家遺産庁と国外所在文化遺産財団はこの日、国立古宮博物館で両文化財のメディア公開会を開催した。「紺紙金泥 大方広仏華厳経」は、紺色の紙に金泥(金粉で作った顔料)で写経された高麗時代の経典で、「十王図」は死後の世界を描いた10幅の仏画だ。どちらも美術史・歴史的価値が非常に高い希少な文化財だ。

両機関は長期にわたる調査を経て、両文化財の所在を突き止めた。日本では美術品の流通が閉鎖的で、古美術商や一部コレクターだけがオークションに参加できるなど、国外からの確認が困難だ。今回の「華厳経 巻第二十二」の存在は2024年10月に初めて確認され、「十王図」は2023年11月にオークション出品情報を入手できたという。

両文化財は、同時代の他の作品と比べても、完全な保存状態を維持している点で高い価値を持つ。「華厳経 巻第二十二」は、華厳宗の根本経典を扱った重要な巻で、全80巻のうち完本が存在しないため、還収の意義が大きいとされる。馬谷寺聖宝博物館のペ・ヨンイル館長は「状態が非常に良好であり、高麗と元の交流研究に資する資料的価値が大きい」と評価した。

「十王図」は朝鮮初期に制作された十王図の中で初の完本とされ、特別な意義を持つ。一般的な絹よりも軽く繊細な高級絹に描かれており、横44cm、縦66cmと小型サイズであるなど独自の特徴がある。東亜大学のパク・ウンギョン名誉教授は「韓国仏教絵画史のみならず、東アジア仏教美術全体においても極めて貴重な資料」と述べた。

国家遺産庁は、両文化財の保存状態が良好であることから、今後の研究や展示に積極的に活用する。現在は古宮博物館に仮保管中で、今後の学術研究や一般公開の機会を検討している。

(c)MONEYTODAY

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