2025 年 7月 11日 (金)
ホーム政治北朝鮮北朝鮮、ロシア人観光客に元山開放…「インフルエンサー排除」観光産業の活性化狙う

北朝鮮、ロシア人観光客に元山開放…「インフルエンサー排除」観光産業の活性化狙う

7月4日付朝鮮労働党機関紙・労働新聞紙面より(c)KOREA WAVE

北朝鮮が観光産業の再活性化に向けた動きを強めている。2025年7月7日からは、ロシア人観光客に対し元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区を正式に開放し、10月には平壌で開催される国際貿易博覧会を契機に平壌観光も再開される。観光開放と情報統制のバランスを模索する北朝鮮の姿勢が注目されている。

ロシアの通信社タスによると、ロシアの団体観光客は7日から8日間、葛麻地区を訪れる。ロシアの旅行会社「ボストーク・イントゥール」が販売するパッケージツアー(1人あたり1840ドル)には、平壌から元山への航空便、葛麻リゾートでの4泊、馬息嶺スキー場の見学などが含まれている。

北朝鮮は今年2月、韓国人とアメリカ人を除く外国人に対し、羅先経済特区の観光を5年ぶりに再開したが、3週間後に突然中断した。これは、西側の観光客がSNSなどに北朝鮮の実情を否定的に投稿したことが影響したとみられている。

今回の元山葛麻地区の開放は、4月の平壌マラソン大会を除けば、外国人観光客が北朝鮮を正式に訪問するのは約5カ月ぶりとなり、大きな意味を持つ。

北朝鮮は今年末または来年初めに予定される朝鮮労働党大会を通じ、新たな観光地区の開発計画を発表する可能性がある。また、10月の平壌国際秋季貿易博覧会(PITF)を機に、平壌観光も再開される見通しだ。

一方で北朝鮮は、メディア関係者や旅行コンテンツ制作者、インフルエンサーの訪問を禁止している。これは、自国内の実態が海外に否定的に報道・拡散されることを防ぐためとされる。

慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「北朝鮮は開放と統制というジレンマを抱えており、キム・ジョンウン(金正恩)総書記自身もその難しさを認識しているだろう。現在は西側観光客を“馴らし”ながら、北朝鮮観光の条件を示している段階」と分析する。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular