2025 年 7月 9日 (水)
ホームエンターテインメント韓国芸能界が注目する次の戦略地…「東南アジア出身」アイドルが続々デビュー

韓国芸能界が注目する次の戦略地…「東南アジア出身」アイドルが続々デビュー

左から、グループ「H2H」のカーメン、ARCのキエン、UNISのエリシアとジェリダンカ(c)NEWSIS

韓国の新人ガールズグループ「NOVE」(ナヴェ)が7月1日、ソウル・広津区YES24ライヴホールで開いたデビューショーケースで、フィリピン出身のジェイエルが韓国語で「小さい頃からK‑POPアイドルになりたいという夢があり、その夢が実現してとても幸せ。フィリピンでの経験も良い影響を与えられると期待している」と語った。

グローバル化するK‑POP業界では、中国やタイに続き、新たな展開先としてインドネシア、ベトナム、フィリピンなど東南アジア出身メンバーが多数デビューする傾向が鮮明になってきた。韓国の芸能事務所は、北米・中国市場に続く戦略拠点として東南アジアに注目し、新人グループに東南アジア出身者を積極的に招聘している。

SMエンターテインメントがデビューさせた新人ガールズグループ「H2H(ハーツトゥハーツ)」のメンバー、カーメンは、国内4大芸能事務所からデビューした初のインドネシア出身アイドルで、2月のデビュー直後、SNS「X」(旧Twitter)でインドネシアのトレンド1位となるなど高い関心を集めた。現地メディアも大々的に報道している。

3月にデビューしたガールズグループ「UNIS(ユニス)」には、フィリピン出身のエリシアとジェリダンカが在籍。2人はSBSのオーディション番組でそれぞれ1位と4位を獲得し、国内外で注目を浴びている。グループはデビュー2か月にしてマニラやセブで大規模ファンサイン会を開くなど、現地市場へ素早く進出した。

ミスティックストーリーの新人グループ「ARC(アーク)」にはベトナム出身のキエンがおり、デビュー後すぐ現地国営放送に出演して注目された。5月にデビューした「KYRAS(キラス)」のリーダー、リングリングはマレーシア人で、事前オーディション番組で2位となった経歴を持つ。

東南アジア出身メンバーの加入は、同地域におけるK‑POPへの関心と消費の高さと連動している。YouTubeやTikTokといったプラットフォーム上で東南アジア諸国におけるK‑POPコンテンツの視聴量は増加傾向にあり、同地域は高付加価値市場として注目されている。特にインドネシアは、東南アジア最大の市場であるタイに次ぐ需要国として、既に重要な戦略拠点と位置づけられている。

市場調査企業ルミネイトによると、昨年、インドネシアは韓国音楽の輸入ランキングで日本と台湾に次ぐ第3位にランクイン。平均年齢29歳という若い国民構成もK‑POPへの需要を支えており、実際にK‑POPグループのツアーにも頻繁に訪れる。

またベトナムでは、防弾少年団やBLACKPINKの影響でファン層が厚くなっており、韓国国際文化交流振興院の調査では、ベトナム国民の85.8%がK‑POPを視聴した経験があると報告されている。

フィリピンではK‑POPの視聴経験率が95.65%に達し、調査対象28カ国中で最高値を記録した。高い人気は「音楽そのものが好きだから」(40.3%)、次いで「パフォーマンスが優れているから」(30.1%)が理由とされる。

業界関係者は「中国に比べて東南アジア諸国は政治的・文化的リスクが比較的小さく、韓国文化に好意的な傾向がある。かつてBLACKPINKのリサの成功によりタイ人メンバーが続々登場したように、今後はベトナム、インドネシアなどの出身メンバーがK‑POPをさらに広げるケースが増えていくだろう」と語った。

(c)NEWSIS

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