
韓国で2025年上半期(1~6月)に国際線を利用した航空旅客が過去最多を記録したにもかかわらず、航空会社の第2四半期(4~6月)の収益性はかえって悪化しそうだ。米国による高関税の影響で航空貨物の取扱量や運賃が落ち込んだことに加え、日本や東南アジア路線での競争激化が収益に影響している。
上半期に韓国内の空港から出発・到着した国際線旅客数は前年同期比7.6%増の4602万9842人で、これまで最多だった2019年の4556万人を上回った。
とりわけ中国と日本を中心に海外旅行需要が堅調に伸びている。中国路線の乗客数は前年同期比24.3%増の781万人で、昨年11月からの韓国人への30日間、無査証入国措置が奏功した形だ。日本路線も9.9%増の1343万人となっている。
しかし、航空各社の業績は明るくない。金融情報会社エフエヌガイドによると、大韓航空の第2四半期の売り上げは3兆9920億ウォン、営業利益は3717億ウォンと予想されており、営業利益は前年より10.1%減少するとみられている。
LCC(格安航空会社)はさらに厳しい。済州航空の第2四半期連結営業損失は399億ウォンに達する見込みで、前年同期の53億ウォンから赤字幅が拡大した。ティーウェイ航空の営業損失も215億ウォンから415億ウォンに拡大、ジンエアーも黒字から赤字転落が見込まれている。
業績悪化の背景の一つに、今年4月から施行された米国の高関税による航空貨物需要の低下がある。国際的な貨物運賃指数であるバルチック航空貨物運賃指数(BAI)は6月第4週時点で1998と、昨年12月比で20%以上下落した。中・短距離路線での価格競争も運賃の下落を招いている。
一方で、燃油価格や為替レートの安定により運航コストの負担は軽減されつつあり、下半期には業績改善を期待する声もある。特に中国路線を中心とした需要回復が旅客収入の拡大につながる可能性がある。第3四半期から中国人観光客への短期ビザ免除が実施されることで、乗客数のさらなる増加が見込まれている。
航空業界関係者は「旅客数は増えているが、収益性は期待に及ばない。燃油や為替の安定は助けにはなるが、路線競争が緩和されない限り、大幅な業績回復は難しい」と話している。
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