2025 年 7月 7日 (月)
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ディズニーランドにあって、ロッテワールド・エバーランドにないもの [韓国記者コラム]

香港ディズニーランドの夜間ショーの全景(c)news1

旅の中で最も緊張する瞬間といえば、やはり入国審査ではないだろうか。

記者が最近訪れた香港国際空港でも、審査官は厳しい表情で「入国の目的は?」と問いかけてきた。「ディズニーランド」と答えると、彼の表情が和らぎ、「楽しんできてください」と言って通してくれた。ディズニーランドはそれだけで国を訪れる動機になる存在だ。

一方、韓国を代表するテーマパークであるエバーランドやロッテワールドはどうだろうか。

世界テーマパーク・エンターテインメント協会(TEA)が昨年発表したランキングによれば、トップ10のうち8カ所が世界各国のディズニーランドだった。エバーランドは前年より3ランク下がって19位、ロッテワールドは5ランク下がって23位となった。

ディズニーランドを特別にする要因の一つは、独自の知的財産(IP)だ。白雪姫、シンデレラ、アナと雪の女王まで、幅広い世代に親しまれるコンテンツを活用し、ディズニーランドはアトラクションだけでなく「物語を体験する場所」を創出している。

来場者は単に乗り物に乗るだけでなく、自分が好きなストーリーの世界に入り込む体験ができるのだ。

これに対し、韓国のテーマパークは季節ごとに海外の人気IPに頼っている。ロッテワールドは今年、ポケモンとのコラボレーションを実施中だ。過去にはぼのぼのやクレヨンしんちゃんとも提携した。

エバーランドは昨年、ジャイアントパンダ「フーバオ」を用いたキャラクターマーケティングが成功したが、フーバオが中国に返還されてからは勢いを失っている。今年は「ワンピース」のキャラクターを用いた「ウォーターフェスティバル」を展開中だ。

もちろん、両パークも独自IPの開発とストーリーテリングの構築に努力を重ねてきた。しかし、それが継続的な物語空間の創出にはつながっていない。

ディズニーにだけあるもう一つの強みは「ファン」の存在だ。独自IPがファンを生む基盤であり、ファンダムはそのIPを永続させる原動力となる。

記者は香港で、世界各地のディズニーランドを訪れたことがあるという韓国人ファンに出会った。彼にとって香港訪問は7回目で、グッズ購入に入場料以上の金額を毎回費やしているという。

彼もまた「韓国のテーマパークを思うと歯がゆい」と語った。韓国のテーマパークには熱心なファンよりも、1回限りの訪問者が多く、再訪したくなる理由が少ないと指摘した。

ファンダムを持つテーマパークは、持続可能なビジネスを築くことができる。実際、中国は自国アニメやゲームをもとにしたテーマパーク産業を育成しており、サウジアラビアも「ビジョン2030」の一環としてこの分野を重点的に開発している。

ディズニーが実証し、他国が追随している成功の方程式を、韓国のテーマパークも真剣に受け止める時期に来ているのではないか。

「韓国旅行の目的はロッテワールドやエバーランド」と答える外国人に、いつかソウル行きの飛行機で出会えることを期待したい。【news1 イ・ミンジュ記者】

(c)news1

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