
2025年4~6月期(第2四半期)の韓国航空業界に、業績悪化の暗雲が垂れ込めている。第1四半期に赤字に転落したLCC(格安航空会社)は、今期さらに赤字が拡大する見通しで、FSC(フルサービスキャリア)各社も売り上げ・営業利益ともに減少が予測されている。背景には「トランプ関税」による航空貨物需要の低迷と、中・短距離路線での旅客競争の激化がある。
金融情報会社FnGuideによれば、大韓航空の第2四半期の連結ベース営業利益コンセンサス(証券会社予測平均)は3849億ウォンで、前年同期比6.9%減。売り上げも0.5%減の4兆38億ウォンと予想され、第1四半期の過去最高の売り上げとは対照的だ。
傘下にあるアシアナ航空についてはコンセンサスがないが、ある証券会社は営業利益を312億ウォンと予想しており、前年の赤字から黒字転換するとみられている。貨物事業売却に伴う減価償却費の減少が要因だ。
一方、LCC各社の状況は厳しい。上場LCC4社のうち3社が赤字を免れないと見込まれている。済州航空は前年同期の53億ウォンの赤字から、今期は399億ウォンの営業赤字に悪化。務安空港での事故を受け、運航便数を10%以上削減したことが響いている。
ティーウェイ航空も赤字幅が拡大する見通しで、営業赤字は前年の215億ウォンから415億ウォンへ。大韓航空の子会社ジンエアーも、前年の9億ウォン黒字から今期は14億ウォンの赤字に転落と予想される。
アシアナ航空子会社のエアプサンのみが唯一黒字の見通しだが、営業利益は70億ウォンと、前年同期比61.3%の減少が見込まれている。
今期業績が振るわない最大の要因は、貨物取扱量の減少と運賃の下落だ。国際的な航空貨物運賃指数「BAI」は6月第4週時点で1998を記録し、2024年12月比で20%以上の下落。米国の高関税政策によりグローバル貨物需要が減少し、各社の収益に直撃している。
特に貨物専用機を運航する大韓航空とアシアナ航空は大打撃。第1四半期は中国発の電子商取引需要に支えられ、大韓航空の貨物売り上げは前年比6.0%増の1兆540億ウォン、アシアナ航空も5.2%増の3709億ウォンだったが、第2四半期は厳しい局面にある。
また中・短距離路線に強いLCC各社は、日韓・東南アジア路線での競争激化により旅客運賃が下落。済州航空の国際線旅客運賃は前年同期比5%減の1㎞あたり71ウォン、ジンエアーも5%減の83ウォンにとどまった。
(c)news1