
韓国ゲーム業界が再び中国市場への本格進出に乗り出す。最近、NCソフトの「リネージュM」など韓国製ゲーム3作が中国政府の版号(サービス許可証)を取得し、業界内に期待感が高まっている。
中国のゲーム業界規制機関、中国国家新聞出版署(NPPA)は6月24日、NCソフトの「リネージュM」、スマイルゲートの「クロスファイア」シリーズ、ビッグゲームスタジオの「ブラッククローバーモバイル」に版号を発行した。これにより、2025年に版号を取得した韓国ゲームは計8作品となった。
韓国文化体育観光省によると、2023年基準で韓国ゲーム最大の輸出先は中国(25.5%)。中国市場の規模は約1236億ドルとされ、アメリカに次いで世界第2位のゲーム市場だ。
中国進出の“入場券”とも言える版号だが、その発給は政治・外交の影響を強く受ける。2016年の最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」配備を機に中国政府が発動した「限韓令」により、2017年以降、韓国ゲームの版号発行は一時中断された。約4年の空白を経て、2020年末にようやく再開された経緯がある。
ただ、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前政権とは異なり、イ・ジェミョン(李在明)政権は「実利重視の外交」を掲げており、中国との関係改善の兆しが見えることから、業界では版号発給が今後も順調に進むとの期待がある。
とはいえ、版号を取得したからといって成功が保証されるわけではない。現在、中国のゲーム企業は巨額の資本を投入し、現地ユーザーの嗜好に合った作品をスピーディーに開発しており、技術力や完成度も世界水準に到達している。
代表的な例が「黒神話:悟空」。中国のゲーム会社「Game Science」が開発したこの作品は、西遊記をモチーフにしたハイクオリティなグラフィックと独創性が世界中で高評価され、発売3日で1000万本超を売り上げた。
一方、韓国企業ウィメイドは、IP保護の脆弱性を懸念している。同社は自社ゲーム「ミルの伝説2」のロイヤリティを中国企業が不当に得ていると主張し、法的措置に出ているが、実際には配当の回収が難航しているという。
このように中国市場は魅力的である一方、競争激化と法的リスクが伴う。ある業界関係者は「成功を保証する市場ではないが、無視できない規模を持つ市場であるため、参入を狙う価値はある」と語っている。
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