2025 年 7月 4日 (金)
ホームエンターテインメント韓流HYBE、インド進出へ…K-POP流グローバル戦略が加速

韓流HYBE、インド進出へ…K-POP流グローバル戦略が加速

HYBEのパン・シヒョク議長(c)KOREA WAVE

韓国の大手総合エンターテインメント企業「HYBE(ハイブ)」は30日、2025年後半にインド法人を設立すると発表した。現在、9~10月ごろの発足を目標に、現地市場の調査および法人設立の実務を進めている。

インド法人設立の背景には、人口14億人の市場にK-POPの方法論を輸出しようとするパン・シヒョク議長の強い意思がある。実際にパン議長は「マルチホーム・マルチジャンル」戦略を直接管理している。「マルチホーム・マルチジャンル」とは、現地の文化や特性を反映し、現地音楽市場で主導的な事業者としての地位を確保しようという戦略である。

これは、パン議長が以前から強調してきた「K-POPのビジネスモデルを他の音楽ジャンルに輸出・適用しなければ生き残れない」という危機感から生まれたグローバル市場における打開策だという。

この「マルチホーム・マルチジャンル」戦略は、インド市場に先立ち進出した主流音楽市場で既に成果を上げている。HYBEアメリカが手がけたガールズグループ「キャッツアイ」は、デビューから1年も経たないうちにビルボード「ホット100」にランクインした。キャッツアイは、音楽・振付からビジュアルクリエイティブに至るまでパン議長が全工程を直接監督するグループだ。

キャッツアイは多国籍ガールズグループで、新人を発掘してトレーニング、音源制作、マネジメント、マーケティング、公演企画を「一つのチェーン」として統合運営するK-POPの方法論を適用した。HYBEは世界最大の音楽市場であるアメリカに進出するため、2021年にアリアナ・グランデやジャスティン・ビーバーらが所属する米メディア企業イサカ・ホールディングスを買収した。

同年、ユニバーサルミュージックグループ傘下のゲフィン・レコードと合弁レーベルを設立し、2023年にはリル・ベイビーやミーゴスなど有名ヒップホップアーティストが所属するトップティアのヒップホップレーベルQCメディア・ホールディングスを買収した。パン議長と主要経営陣は1年の半分以上を海外で過ごし、買収作業を進めた。その後、現地のインフラやネットワークに、K-POP式のアーティスト発掘・育成システムを融合させ、パン議長のプロデュースノウハウを加えた。

南米拠点確保のため、2024年後半に設立されたHYBEラテンアメリカでも事業が本格化している。南米では、二つの大型アーティスト発掘プロジェクトが進行中だ。メキシコ最大の放送局テレムンドと共同で放送中のバンド選抜オーディション「パセ・ア・ラ・ファマ」は現地で人気を集めている。

また、ラテン系ボーイズグループのメンバーを選抜するためのオーディションも準備中だ。これら二つのオーディションでは、参加者がメンタリングを含むトレーニング過程を経る。これはK-POPの方法論をラテン音楽ジャンルに初めて適用する試みだ。昨年の段階で年22.5%の成長率を記録し、南米だけでなく米国でも急成長中のラテンミュージック市場を、HYBEのノウハウで攻略しようという狙いだ。

HYBEジャパンでは、ボーイズグループ&TEAMが3枚目のシングル「Go in Blind」で累積出荷数80万枚を突破し、日本レコード協会から「トリプルプラチナ(75万枚以上)」認証を受けた。

また、HYBEジャパン傘下のYX LABELSが&TEAMに続いてデビューさせたボーイズグループaoenも、今月のデビューと同時に日本オリコンチャートで1位を獲得した。

HYBEは「K-POPは単なる音楽ジャンルにとどまらず、大衆の嗜好を正確に把握し、そこからスーパーファンに基づくスーパーIP(知的財産)を生み出す方法論そのものになるべきだというのが、パン議長の持論だ。この流れが続けば、グローバルビッグ3企業が支配する世界音楽市場の構図は大きく変わるだろう」と述べた。

(c)KOREA WAVE

RELATED ARTICLES

Most Popular