2025 年 7月 4日 (金)
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韓国大統領専用機「空軍1号機」…敵のGPS妨害に対応、自衛装置も搭載

2025年6月16日、イ・ジェミョン(李在明)韓国大統領を乗せ、ソウル空港から出発する大統領専用機(c)NEWSIS

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が就任して以降、大統領の海外訪問時に使用される専用機への関心が高まっている。

大統領専用機は「空を飛ぶ青瓦台(現在の大統領室)」と称され、軍および衛星と直結する国家指揮通信網などの機能を備えている。

現在、韓国大統領専用機として運用されているのは7機。中・長距離用の大型機「空軍1号機」のほか、1985年に導入された老朽化した中型機B737-3Z8が「空軍2号機」として使用されている。また、「空軍3号機」「5号機」は輸送機で、その他3機はヘリコプターである。

本来、2021年には空軍1号機と2号機の体制を3機に拡大する計画があったが、予算上の制約で見送られ、現在の体制が維持されている。

大統領が主に海外訪問で利用するのは「空軍1号機」で、2022年1月15日、当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイを訪問した際に初めて運航された。以前の空軍1号機はB747-400型で、イ・ミョンバク(李明博)、パク・クネ(朴槿恵)の歴代大統領が使用し、11年間で162万kmを飛行して退役した。

現行の空軍1号機であるB747-8iは、ボーイング社が製造した747シリーズの最上級機種で、巡航速度はマッハ0.86と大型機としては最速クラス。新型エンジンにより最大14時間の連続飛行が可能で、給油なしで1万4815kmを航行でき、前機種より航続距離は約2300km長い。機体の長さは70.67m、高さは19.54m、最大離陸重量は448トン。

この専用機は2021年5月からドイツ・ハンブルクなどで改修が施され、大統領専用機として再設計された。敵のGPS妨害(ジャミング)に対応できるほか、ミサイル警報および自衛用の防御装置も搭載している。国防と衛星通信に直結した国家指揮通信網も装備されている。

導入に際して座席は元の368席から約200席に減らされ、大統領専用席2席、ビジネスクラス42席、エコノミークラス169席で構成。会議室や大統領用の寝室など専用スペースも設けられた。

外観デザインには大きな変更はなく、白い機体に赤と青で太極旗をイメージしたデザインが施された。

現在、空軍1号機は大韓航空からリースして使用されており、契約は2026年10月に満了を迎える。

(c)NEWSIS

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