2025 年 7月 5日 (土)
ホームライフスタイル韓国・給食業界が「グルメ化」…「一蘭」「ラムゼイ」とコラボする驚きの戦略

韓国・給食業界が「グルメ化」…「一蘭」「ラムゼイ」とコラボする驚きの戦略

韓国・全羅南道海南郡にある大韓造船の社内食堂=海南郡(c)news1

韓国の給食業界が再受注競争力を確保するため、国内外の有名飲食ブランドとの協業を強化している。

給食業界および会計大手のサムジョンKPMG経済研究所によると、韓国の給食最大手であるサムスンウェルストーリーをはじめとする主要企業が、人気飲食ブランドと連携したメニューを次々と打ち出している。

サムスンウェルストーリーは、日本の有名ラーメンブランド「一蘭」との協業に続き、イギリスのスターシェフ、ゴードン・ラムゼイが展開するカジュアルバーガーブランド「ゴードン・ラムゼイ・ストリートバーガー」を社内食堂で提供すると発表した。

このような“グルメコラボ”は、給食業界における明確なトレンドとなっている。韓国大手の総合食品会社アワーホームは、シェイクシャックや韓国のフライドチキンチェーン「bhc」など、計45の外食ブランドと提携。コラボイベント当日の提供食数は平均で15~20%増加し、顧客満足度は5点満点中4.7点以上を記録している。

CJフレッシュウェイも、韓国の人気ピザチェーン「Go Pizza」、コロッケ専門店「ソンソブコロッケ」、韓国風トンカツ店「ニューヨークポーク」などと協業し、給食専用メニューを開発。現代グリーンフードも、「チャダムチキン」や「モスバーガー」などと提携してメニューを提供している。

このようなメニューの差別化が業界全体の流れとなっている背景には、韓国の団体給食市場特有の受注構造がある。契約は通常2~3年ごとの更新で、終了時には再受注競争が発生する仕組みだ。

競争を勝ち抜くには、既存契約先の社員の食事満足度をあらかじめ高めておくことが重要だ。各社は「外食水準」のメニュー体験を給食にも取り入れ、契約終了前の顧客離脱を防ぎ、再契約の可能性を高める戦略をとっている。

団体給食は、食材流通事業の中でも収益性が高い分野とされる。契約が一度締結されれば安定した提供食数が確保されるうえ、食材価格の調整余地も大きく、収益管理が容易だからだ。さらに、長期契約により売り上げ予測が可能となり、廃棄率も低いため、効率的な運営が実現できる。

(c)news1

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