
韓国のコンビニ業界が急速に構造調整を進めている。CU、GS25、セブンイレブンの大手3社の店舗数が5カ月連続で減少し、量的拡大から質的成長への転換が本格化していることが明らかになった。
産業通商資源省が6月27日に公表した流通業界の売り上げ動向統計によると、2025年5月末時点で3社の合計店舗数は4万8315店。2024年末の4万8722店から405店舗が純減した。このうち、1~3月の3カ月間で94店舗が減少、4月には148店舗、5月には165店舗と、2カ月間で313店舗が減るなど、減少ペースが加速している。
これまでコンビニ業界では年間数千店規模での開店・閉店が繰り返されていたが、開店数が上回っていたために全体の店舗数は増加を続けてきた。しかし2024年からは閉店が開店を上回る傾向が継続し、5カ月連続で純減が続いている。
さらに業界全体の売り上げも低迷している。2025年5月、コンビニは全ての流通業態の中で唯一前年割れの「逆成長」を記録。電子商取引や大型マート、百貨店、企業型スーパーマーケット(SSM)が「家庭の月」効果で売り上げを伸ばした一方で、コンビニだけが減収となった。
これは、パンデミック期間を除けばコンビニ業界が誕生して以来初めてのこと。2025年2月と4月にもマイナス成長を記録しており、今年に入ってすでに3回目の逆成長となった。
こうした状況を受けて業界は、数を追う「量的成長」から脱却し、「質的成長」に方向転換。収益性の低い店舗を積極的に閉鎖し、広い面積を確保できる立地や大型テナントへ移転する「スクラップ・アンド・ビルド」戦略を推進している。これにより店舗ごとの売り上げ向上を目指す。
また、ファッションやビューティー、新鮮食品といった従来手を出してこなかった分野にも商品多様化を図り、競争力の強化を図る戦略も進行中だ。
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