
韓国で、90代の高齢者を介護する介護職員が暴力をふるう様子が防犯カメラに記録され、波紋を広げている。
被害者の孫によれば、93歳の祖母は昨年脳梗塞で倒れ、左腕だけが動く状態。意思疎通は可能で、短い返答ができる程度の回復を見せていた。母親が付きっきりで介護できないため、7~8カ月前から訪問介護サービスを利用していた。
問題が起きたのは、今年5月22日に新しい介護職員が担当に就いてから。わずか1週間で、祖母の腕にアザが現れた。顔の傷は「寝ていて引っかいた」と思っていたが、片腕しか使えない祖母が自分で打撲をつけるはずがないと異変を感じたという。

家族が自宅に設置した防犯カメラを確認したところ、5月29日、介護職員が祖母の頬を叩き、手を噛むような仕草をする映像が映っていた。さらに腕をつねる、拳で殴るなどの行為も確認された。
介護職員は布団に足を投げ出して寝そべり、祖母はその反動で端に追いやられる状態だったという。孫は「排泄のケアなど大変なことは母がやっていた。介護職員には話し相手になってもらいたかったが、テレビばかり見て笑っていた」と語った。
虐待はこれだけにとどまらなかった。祖母が横になってお菓子を食べていると、介護職員はそのお菓子を取り上げて1つずつ投げ与える様子が映像に残っていた。孫は「まるで犬を相手にするようだった」と憤る。
問い詰めた際、職員は一度は否定し「映像を見せろ」と開き直ったが、防犯カメラ映像を見せると「申し訳ない」とだけ言い残し、立ち去ったという。
孫は警察に通報し、警察は老人福祉法違反容疑で検察に送致。検察は略式起訴処分としたが、職員は現在も「頬を軽くかすめただけ」「噛んだのではなく口に触れただけ」「つねったふりをしただけで、リハビリのためにお菓子を投げた」と主張している。
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