2025 年 4月 1日 (火)
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8兆ウォン規模「韓国型次期駆逐艦」受注競争が過熱…防衛事業庁、業者選定の結論出せず

韓国型次期駆逐艦(KDDX)の概要(c)MONEYTODAY

韓国防衛事業庁が「韓国型次期駆逐艦(KDDX)」の1番艦を建造する企業を選定するための会議を開いたものの、結論を出せなかった。KDDX事業は2030年までに約7兆8000億ウォンを投入し、6000トン級の最新型イージス艦6隻を確保する国家プロジェクトだ。先導艦1隻を建造する防衛企業が、後続艦5隻の受注や海外市場での競争でも有利な立場を占めることから、HD現代重工業とハンファオーシャンが熾烈な競争を繰り広げている。

防衛事業庁は17日午後、防衛事業企画管理分科委員会を開き、「KDDX事業推進案および詳細設計と先導艦建造基本計画案」を審議したが、結論は先送りされた。分科委員会では、随意契約、競争入札、共同開発などの方式についての議論が進められたが、意見が分かれ、4月初旬までに追加で議論することになった。

防衛事業庁関係者は「分科委員会での具体的な議題内容および決定結果は、防衛事業法第6条の『清廉誓約制度』により、最終決定まで公開しないことになっている。随意契約の必要性や共同開発案などをさらに検討し、深く議論することにした」と明らかにした。

分科委員会の結果は、来月初旬にキム・ソンホ国防相職務代行(次官)が委員長を務める防衛事業推進委員会で最終的に確定される。分科委員会の決定が覆される可能性もあるため、当面は公式発表を控える。

KDDX事業の契約方式によって受注企業の行方が大きく左右される。もし随意契約となれば、HD現代重工業が詳細設計と先導艦の建造を担う見通しだ。

通常、艦艇事業は「概念設計→基本設計→詳細設計と先導艦建造→後続艦建造」という流れで進む。ただ、防衛事業庁開庁以来、19回の艦艇設計のうち、「忠武公李舜臣」艦を除くすべてが、基本設計を担った企業によって詳細設計が進められてきた。

KDDX事業では、2012年に大宇造船海洋(現ハンファオーシャン)が概念設計を担当し、2023年にHD現代重工業が基本設計を担当している。

◇「随意契約 vs 競争入札」争点は

防衛業界では、KDDX詳細設計と先導艦建造において、HD現代重工業が優位にあるという評価が多い。艦艇事業は基本設計段階で主要技術や搭載装備の仕様・性能が決まるため、基本設計を担当したHD現代重工業が有利とされる。

一方で、ハンファオーシャンはHD現代重工業が過去にKDDXの概念設計図を不正に撮影した事件を挙げ、競争入札の必要性を主張している。HD現代重工業の社員9人が2013年、大宇造船海洋(当時)が受注していたKDDX概念設計図を盗撮し、2023年11月に有罪判決を受けた経緯がある。競争入札となれば、ハンファオーシャンが法的根拠をもとに異議を申し立てる可能性も指摘されている。

共同開発案も検討されているが、実現は難航している。HD現代重工業が詳細設計と先導艦建造を主導し、ハンファオーシャンが協力する方式が議論されているものの、両社の間で主導権や利益配分に関する意見の相違が大きいという。

防衛業界関係者は「国内での対立は、将来の海外軍艦市場での協力を妨げる恐れがある。防衛事業庁による積極的な仲裁が不可欠だ」と指摘する。

(c)MONEYTODAY

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