2024 年 4月 23日 (火)
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687兆ラブコール、仮想人間市場が人間を超える (下)

仮想人間広告モデル「Rozy」©news1

◇「活動できる領域に限りがない」

仮想人間のマーケティングは、韓国国内よりも海外がいっそう熱い。

米AIスタートアップ「ブラッド(Brud)」が2016年に披露した「Lil Miquela」は、シャネル、ディオール、プラダなど高級ブランドのモデルとして活動している。

7月30日現在のInstagramフォロワー数が約305万人に達するほど影響力が大きい。英オンラインショッピングモール「OnBuy」によると、「Lil Miquela」の2019年1年間の収益は約896万ポンド(約138億ウォン/約14億円)に達する。

ほかにも英「Shudu」、ブラジル「Lu du Magalu」、日本「imma(イマ)」などInstagramフォロワー数が数十万から数百万人を行き来するバーチャルインフルエンサーが数多い。

IT業界関係者は次のような見解を示す。

「仮想人間市場が今、まさに開かれた段階にあり、むやみに予測することに慎重にならざるを得ない。ただ、物理的な制約がなく、広告・モデル・ゲームなど、活動できる領域に限りがない」

米ラスベガスで開かれた「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」に展示された仮想人間©news1

◇「不気味な谷」

仮想人間マーケティングの中心となる興行要素は「自然さ」だ。人間に似ているほど親近感を持ちやすいからだ。

RozyもMZ世代が最も好む顔型を組み合わせた。「2002年生まれ」とされるバーチャルアーティストの「ユア(YuA)」は、人間と同じ時間の中で生きているという設定で、毎年1歳ずつ年をとる。

人間に似ているほど好感が持てる。だが、一定水準を超えてしまうと、むしろ嫌悪感を引き起こす「不気味な谷」現象が仮想人間の正念場だと指摘される。

ただ最近では、この「不気味な谷」でさえ、仮想人間市場拡大の行方を左右するほどのことはない、という見方もある。

韓国人工知能倫理協会のジョン・チャンベ理事長は次のような見解を語っている。

「現在、仮想人間の技術水準が、実際の人間と区別できないほど、優れた水準まで高められてきた。もう“不気味な谷”というレベルは超えている。メタバースや拡張現実(AR)、仮想現実(VR)技術の結合で、よりリアルなデジタル人間の実現が可能になるだろう」

また、慶熙大経営大学院のキム・サンギュン教授も「『ポロロ』(韓国の人気キャラクター)のように、人とは異なる形態のキャラクターにAI技術を投影する方法もある。現在では“不気味な谷”は顕著な問題ではない」と見立てている。

◇人間の雇用

仮想人間が人間の雇用を奪うのでは、という懸念がある。ただ、これについても、雇用の「消滅」ではなく、技術発展による「変化」と見なければならないという意見が出ている。

キム・サンギュン教授は「ダンサーをコピーした仮想人間が公演で活用されると、ダンサーの雇用は減るだろう。だが、これを企画した人たちの雇用は増えるだろう。一方で、こうした変化を後押しできる制度や、関連技術を理解するための教育など、政府支援が必要だ」と指摘する。

ジョン・チャンベ理事長も「技術発展の流れは物理的に止めることはできない。止める名分も不足している。政府と企業は、転職と再就職を積極的に斡旋する必要がある」と強調した。

©MONEYTODAY

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