百貨店や小売店舗で購入の問い合わせをすると「少なくとも2年待ち」という高麗人参(にんじん)が韓国に存在する。KGC人参公社の6年根紅参(こうじん)ブランド「天参(チョンサム)」だ。600グラム入りの1箱が670万ウォン(約67万円)。中国では2倍の価格で売ってもすぐ品切れたという。ブランドバッグに劣らない価格なのに需要は引きも切らず、「高麗人参界のシャネル」と呼ばれている。
紅参は高麗人参を皮ごと蒸してから乾燥させたもの。KGC人参公社によると、670万ウォンで販売されている「天参10」(600グラム)は毎年500個が生産され、うち300個が韓国国内で販売される。
主要顧客は企業トップら資産家だ。効能と希少性が認められ、再購買率が高い。天参は古くなるほど紅参の濃い香りが蘇り、価値が出る。
天参は高麗人参産業法による紅参の分類等級のうち最上級で、紅参生産量全体の0.5%しか取れない。KGC人参公社では職人歴20年以上のベテランが手作業で最上級の紅参から更に天参をよりすぐっている。
国内販売用を除いた天参は全て中国に輸出される。この過程で価格はほぼ2倍に跳ね上がる。それでも現地では供給が不足している。
KGC人参公社によると、中国法人の売上高は2020年587万6000ドル、2021年862万ドル、22年1038万9000万ドル(約14億円)と年々増加している。
KGC人参公社は生産量を増やすため研究開発に力を入れており、昨年まで23件の新品種の特許を出願した。関係者は「収穫率が高い品種を開発するなどして、栽培環境と品質特性に合う多様なラインナップを構築している」と話した。
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