
韓国の昨年(2025年)の雇用市場は、全体の就業者数こそ増加したものの、主要産業の停滞と生産年齢人口の離脱という構造的な歪みが深刻化した。特に、60代以上の高齢層が雇用増加を牽引する一方で、若年層と30代は過去最悪の「就職氷河期」に直面している。
統計庁によると、2025年の「就職をあきらめた(休んでいる)」30代は30万9000人で、統計開始以来最多を記録。20代(40万8000人)も含めると、2030世代で71万人以上が労働市場の外で漂っている状態だ。
特に、2025年12月時点の30代失業者数は前年比43.1%増加。就職活動自体を諦めるケースが増えており、求人数の減少に加え、経験者優遇や職種ミスマッチが障壁となっている。
産業別では、建設業の就業者が12万5000人減少(過去12年で最大減)し、製造業も6年ぶりの大幅な減少。金利高騰と原材料費の上昇によって企業の利益が圧迫され、新規採用が抑えられている。
雇用労働省の統計では、2026年1〜3月期の採用計画人数は前年より6万4000人減。これは6期連続の下落で、AI導入による効率化が企業の採用意欲をさらに冷やしている。
韓国政府はこの状況を国家的危機と捉え、早急な対応に乗り出した。
財政経済省は、職業訓練・心理カウンセリング・職場体験をパッケージ化した「青年雇用回復支援策」を策定中。特に就職断念者に対する再挑戦支援と心の回復支援に焦点を当てる方針だ。
中央大学のイ・ビョンフン名誉教授は「労働市場からの離脱が長期化すれば、働く意欲自体が失われ、恒久的な貧困層に転落する恐れがある」と警鐘を鳴らし、「単なる雇用拡大ではなく、住宅・金融・心理までカバーする立体的な安全網を構築すべきだ」と提言した。
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