
韓国の知的財産当局が、アイウェアブランド「ブルーエレファント」の代表を、他社製品のデザインを模倣したとして起訴した事件が、ファッション業界に波紋を広げている。未登録デザインの模倣で刑事責任が問われた初の事例とされ、慣行とされてきた“グレーゾーン”に転機をもたらす可能性がある。
当局によると、同社は人気ブランド「ジェントルモンスター」の製品を撮影し、その画像を海外製造業者に送付して模倣品を生産。2023年から2025年にかけ約73万点を輸入・販売した疑いがある。売り上げ規模は約123億ウォン(約13億5000万円)に達する。
問題視されたのは模倣の精度で、3Dスキャン比較では一部製品が99%以上一致し、「デッドコピー」(そっくりそのまま模倣したもの)と判断された。設計図を使わず写真をそのまま設計情報として用いた点も特徴だ。
今回の焦点は、未登録デザインでも実質的な模倣と認定されれば不正競争防止法により刑事処罰の対象となり得る点にある。流行変化の速い業界では、従来は外観の類似のみでの対応は難しいとされてきた。
当局は2017年の法改正により、未登録でも完成から3年以内なら保護対象となると説明。3D分析による類似性の立証や生産指示書の確保が重要証拠となった。
一方、すべての類似が違法となるわけではなく、一般的形状や3年以上経過したデザインは対象外。今後は個別判断が求められる見通しだ。
業界では、デザイン登録や証拠管理の強化が進むとの見方が広がる一方、中小ブランドには訴訟コスト増という課題も浮上している。
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