2024 年 12月 1日 (日)
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32度の猛暑、それでも街に出ざるを得ない韓国の高齢者たち

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「うちの孫二人の若い母親が亡くなってしまったので、何が何でもアルバイトをしなければ」

ソウル地下鉄2号線江南駅11番出口。10日午前10時10分、ある高齢女性Aさんは、蒸し暑い天気の中、手袋をはめて、通行人にフィットネスクラブの広告チラシを配っていた。つばが広い帽子をかぶって首にはハンカチを巻いているが、強い日差しは避けられない。女性は暑い日にチラシ配りのアルバイトをするのは大変だと言いながらも「食べていくためには仕方がない」と笑顔を見せた。

この日は梅雨が明け、ソウルに猛暑注意報が出された。最高気温は32度で、屋外に1分立っているだけでも皮膚がひりひりするほどだった。炎天下でも江南駅付近には4人がチラシを配っていた。みな70代以上の高齢女性で、地下鉄駅を出て出勤するサラリーマンたちに次々とチラシを配った。

Aさんはチラシ配りで稼いだ金を生活費に充て、税金と延滞利子を払う。余力があれば、孫たちに1万ウォンずつ小遣いを与える。「おばあちゃんが少しでもお金をくれると、子どもたちは大喜びする」と涙ぐんだ。

孫たちのことを考えると、雨が降ってもアルバイトを休めない。会社員の出勤時間・昼休み・退勤時間にそれぞれ2時間ずつ、1日に6時間仕事をする。「6時間もチラシ配りをすると、疲れ果てて、家に帰る時は足が痛い」と吐露した。暑ければ、つばの広い帽子をかぶり、雨が降れば、雨をしのげる帽子をかぶって働く。

保健福祉省によると、2023年時点で60歳以上の高齢者の主な生活費の調達方法は、本人や配偶者の負担が76%で最も大きな割合を占めている。その割合は2015年の66.6%から着実に上昇している。しかし2020年には就業高齢者の48.7%が単純労務従事者で、高齢者らは主にチラシ配りのアルバイトのような低賃金・非熟練労働に従事している。それゆえ、高齢者らは生活費調達のために猛暑にもかかわらず屋外労働をするしかない。

新盆唐線江南駅5番出口でフィットネスクラブの広告チラシを配っていた女性、キム・スンエさん(76)は、配り始めてから1時間30分後にはハンカチが汗でびっしょりになった。それでもキムさんは「この年齢で仕事ができるということ自体に感謝する」と話している。キムさんは「雨が降ってチラシを配れなければ、収入が減る」とため息をついた。

統計庁によると、高齢者人口の相対的貧困率は2011年の56.9%から2022年57.1%に増加傾向にある。韓国は高齢化が急速に進む一方で、2021年時点で経済協力開発機構(OECD)主要国の中で高齢者貧困率は1位だ。専門家は、高齢者に良質の仕事を提供し、所得を保障すべきだとアドバイスする。

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