韓国野球がワールドベースボールクラシック(WBC)で3大会連続1ラウンド敗退の屈辱を味わった。2009年以来14年ぶりにベスト4進出を目標にしたが、夢は打ち砕かれた。
イ・ガンチョル監督率いる韓国野球代表チームは、2023WBC第1ラウンドで2勝2敗に終わり、B組3位で、上位2チームに与えられる第2ラウンド(ベスト8)行きのチケットを獲得できなかった。
第1~3戦で1勝2敗に止まった韓国は、13日午後7時の中国との最後の試合前に、第1ラウンド脱落が確定した。チェコがオーストラリアに4点を奪われ、チェコが勝利すればベスト8の望みがあったが、オーストラリアがチェコを8対3で下した。
韓国野球は2013年、2017年に続き3大会連続1ラウンドで脱落し、悲惨な現実と再び向き合った。
初戦からもつれた。
オーストラリア、日本、チェコ、中国と同じ組になった韓国は、オーストラリアとの初戦を勝利で飾り、ベスト8の安定圏に入っていいムードで「宿敵」日本と決戦を繰り広げるという考えだった。チェコ、中国のとの戦力差が大きいので、オーストラリアだけ下せば、ベスト8進出に青信号を灯すことができた。
しかし、格下と見ていたオーストラリアに7対8で敗北し、ベスト8入りに赤信号が灯った。圧迫感がさらに高まった状況での日本戦では、4対13で大敗する屈辱を受けた。
別に職業を持つ選手たちで編成されたチェコに7対3で勝利を収めたが、すでにベスト8進出の可能性は希薄になった後だった。韓国は第1ラウンド脱落が確定した状態のまま中国戦に臨んだ。
◇日本との実力差痛感
今大会を通じて韓国は国際競争力が著しく落ちたことを確認した。
プロ選手が参加する主要大会で韓国がオーストラリアに敗れたのは、2007年、台湾野球ワールドカップ予選以来16年ぶりのことだった。
日本との試合では実力差が広がったことを痛感した。
韓国は2015年、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)プレミア12決勝で日本に逆転勝ちし優勝したが、2019年のプレミア12では予選、決勝でいずれも日本に敗れた。2021年に開かれた東京五輪でも日本と接戦を繰り広げた末に敗北した。しかし、今回はコールドゲームでの敗北直前まで追い詰められた。
過去、韓国は堅実な投手陣によって国際大会で好成績を残したが、今大会での投手力には失望させられた。
高校時代に野球部の同僚に暴力を振るったというレッテルを完全に剥がせなかったアン・ウジン(キウム・ヒーローズ)を除いて、KBOリーグ最高選手らを集めて最上の戦力を作ったが、あえなく敗れた。
オーストラリア戦では相手打者のパワーに持ちこたえられなかった。韓国の投手は本塁打を3本も許し、ノックダウンした。
日本との試合では長短13安打を打たれただけでなく、8四球を許して自滅した。3回、ヤン・ウィジの2点本塁打などで3点を取っても、大敗を喫してしまった。
◇準備のプロセスも課題
日本の投手が時速160キロを超える速球で安定的な制球を見せた半面、韓国は時速150キロを超える投手も見当たらない。
制球力はさらに深刻だった。韓国の投手は初球ストライクをなかなか投げることができなかった。ストライクゾーンを大きく外れるボールも少くなかった。チェコ戦では暴投で点を与えることもあった。
打者も同様に残念な結果だった。初めて相まみえる投手に対処するのに苦労した。速いボールにはバットが空を切った。オーストラリア戦で試合開始後、13人の打者が連続凡打で退いた。
大会の準備過程も残念な部分だ。
韓国代表チームは米アリゾナ州ツーソンに集まって練習した。
所属チームが米国でキャンプを張っていないサムスンライオンズ、斗山ベアーズ、ロッテジャイアンツの選手たちは長時間のフライトを余儀なくされた。
天気も助けてくれなかった。寒波注意報が出るほど気温が下がり、雪まで降った。風雨と強風にも見舞われた。
寒さが特に投手たちでコンディション調整に悪影響を及ぼした。実力の限界もあったが、それでも自分の技量も発揮できなかった。
◇有望株、目立った活躍できず
今大会を通じて10年以上代表チームのエースとして活躍したキム・グァンヒョン(SSGランダース)、ヤン・ヒョンジョン(KIAタイガース)の後継者を探し、世代交代を図るという夢も水の泡となった。
ク・チャンモ(NCダイノス)、イ・ウィリ(KIA)、ソ・ヒョンジュン(KTウィズ)、クァク・ビン、チョン・チョルウォン(斗山ベアーズ)、チョン・ウヨン(LGツインズ)ら、韓国の有望株が大挙参戦したが、誰一人目立った活躍ができなかった。ウォン・テイン(サムスンライオンズ)が好投したのがせめてもの慰めだった。
韓国は2006年のWBCベスト4、2008年の北京五輪金メダル、2009年のWBC準優勝を果たし、復興期を迎えた。観衆が大幅に増え、9、10の球団を立ち上げ、球界の形を広げた。100億ウォン(1ウォン=約0.1円)を超える契約が続々と登場するほど選手たちの年俸は天井知らずに上がった。
しかし、むしろ国際競争力は後退した。2013年と2017年のWBCで1ラウンド敗退後、国際競争力強化を叫んだが、その時だけだった。今回も惨事はまた起こった。
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