
北朝鮮専門旅行会社「高麗ツアーズ」(北京)は、2026年4月開催予定の平壌国際マラソン大会に向け、外国人参加者向けの新たなガイドラインを公表した。GPS追跡アプリの使用禁止や撮影規制の強化など、例年より厳格な内容となっている。
マラソン中の写真・動画撮影は原則可能だが、軍人や政府施設の撮影は禁止される。使用禁止アプリにはGoogle FitやStrava、Runkeeperなどが含まれ、過去にStrava使用で北朝鮮当局から制止を受けた事例も紹介された。
さらに、観光ビザでの記者やプロ写真家の入国は禁止され、無許可での報道活動は北朝鮮の国内法に抵触する可能性がある。参加者は観光ビザではなく、体育当局が発行する「マラソン代表団ビザ」で入国し、団体行動が求められる。
背景には、観光による外貨獲得を進める一方で、情報統制を徹底したい北朝鮮の意図がある。2023年に開業した元山葛麻海岸観光地区では、SNS拡散を懸念し短期間で外国人観光を停止した経緯もある。
平壌マラソンはキム・イルソン(金日成)主席の誕生日「太陽節」を記念し1981年に始まった国際大会。外国人の参加は2014年から可能となり、コロナ禍による中止を経て2025年に再開。2026年大会も実施予定となっている。
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