2025 年 1月 16日 (木)
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2007年に消えた後、復活した仕組み [KWレポート] 「血液が足りない」韓国の叫び (3)

(c)MONEYTODAY

韓国に住むAさんの母親は昨年1月、急性骨髄性白血病と診断された。同年2月、血液が不足しているという理由で病院から血小板と全血を入手するように指示された。Aさんは知人40人に連絡し血液を集めたが、全血だけで血小板がなく、再び血液を集めなければならなかった。

献血者に感謝の印として5000ウォン~1万ウォン(1ウォン=約0.1円)のコーヒークーポンを送った。その総額はいつのまにか10万ウォンになっていた。

Aさんは「献血をお願いに行く度に胸がいっぱいになるのは、経験したことのある人だけが知っていることだ」と話した。そして「心理的、金銭的な困難を既に経験している患者家族が献血の協力者を探し回れば、心理的な苦痛とその後の金銭的な負担が伴う」と吐露した。

血液不足の最大の被害者は、血液がん患者とその家族だ。血液がんの闘病中の患者は、主に「血小板」という特定成分の血液を輸血される。血小板を補うために患者が直接献血者を指定する「指定献血」が4年間で7倍も増加した。病院が言う期限内に献血者を見つけられなかったら、患者は死亡する可能性もある。心理的に苦しむ患者とその家族は、今もインターネットとSNSで「献血を求める」という切実な訴えを残している。

◇指定献血4年間で7.3倍増加

保健福祉省の献血現況によると、指定献血量は2018年に1万9344ユニット(Unit)だったが、2021年には14万2355ユニットと4年間で7.3倍に増えた。同期間、一般献血量は285万7115ユニットから246万279ユニットへと毎年減り続けている。

「指定献血」とは、医療機関が患者や保護者に、手術に必要な血液を入手するよう要請し、指定された志願者から献血を受けることだ。血液がんの患者は、抗がん剤治療と造血幹細胞移植を受けるが、この時、血小板の数値が下がり、深刻な出血の危険を伴う。血小板が十分に輸血されなければ、患者は命を失うこともありうる。

血小板製剤は、採血するのに1時間30分もかかるうえ、有効期間も5日しかないため、大量に備蓄するのが難しい。保有している血小板製剤が不足しているため、病院が患者と家族に直接入手するように指示するのだ。一部の病院は、自分たちが保有している血液量を節約するため、患者に指定献血を勧めることもある。

白血病患者に対する「指定献血」は2007年の「血小板事前予約制」が導入されて以来、しばらく消えていた。当時、患者団体が「白血病患者が直接血を集めて回らなくていいようにしてほしい」と、14日間座り込みをした末に成し遂げた成果だった。しかし、15年前に消えた「指定献血」が、最近の献血量減少で復活することになった。

(つづく)

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