韓国・済州(チェジュ)ドリームタワー複合リゾートに16日夕方、見慣れない雰囲気の観光客数十人がバイキングレストランのグランドキッチンに姿を現した。それぞれ、手には観光とショッピングを楽しんできたかのように、新羅(シルラ)免税店のショッピングバッグを持っていた。
英語と中国語を混ぜて話し、一部の女性はヒジャブまで巻いた姿。間違いなく、外国人団体観光客だった。新型コロナウイルス感染で姿を消した人たちが2年ぶりに帰還したのだ。
食事を終えた彼らは旅行コース「画龍点睛」(最後の仕上げ)である外国人専用「ドリームタワーカジノ」のある2階に向かった。
カジノに入場した30人余りの観光客は「VIP」または「プレミアムマス(Mass)」の顧客に姿を変え、ゲームを楽しんだ。
「海外からのお客さまが訪ねてくれることを切実に待っていた。サービスに満足している姿に触れ、エンデミック以前からお客さまの訪問を準備してきた職員たちも、やりがいを感じている」
カジノ関係者は笑顔で話した。
旅行1番地・済州島に再び、彼らがやってきたのだ。
観光当局によると、シンガポールやマレーシア観光客201人は今月15日、シンガポールのスクート航空で済州に到着した。パンデミック以後、2年2カ月ぶりに再開された済州国際線初の直航便でやってきたのだ。今月初めには臨時便でやってきたタイ人観光客もいるが、ノービザ復活とともに編成された定期路線を使った大勢の観光客は久しぶりだ。
彼らの訪問は東南アジアの訪韓観光市場が本格的に開かれたという点で大きな意味を持つ。中国と日本が観光交流の扉を開けていない状況であり、韓国観光市場の回復の呼び水になるためだ。
韓国観光公社によると、新型コロナウイルス感染以前の2019年、訪韓マレーシア観光客は41万人で、9番目に高い旅行需要を示した。人口が594万人のシンガポールも25万人が韓国を訪れるほど、訪韓市場で大きな比重を占めている。
済州を訪れたシンガポール・マレーシア観光客による波及効果は大きかった。ソーシャルディスタンスの解除にも関わらず、なかなか危機から抜け出せなかった観光業種が活気を取り戻したのだ。
免税店・貸切バスなどが代表的だ。ホテル新羅が運営する済州新羅免税店の場合、マレーシア観光客が訪問してKビューティー化粧品を購入した。免税店の関係者は「今回の訪問を機に免税店も活気を取り戻すものと期待している」と話した。
最も注目が集まる地点は外国人カジノだ。
政府観光政策の資金源である観光振興開発基金の20%以上がカジノ売り上げから徴収するカジノ納付金から出ているうえ、1人当たりの観光消費支出額もカジノが最も多く、この点でカジノ回復は国内観光生態系正常化のための最後のパズルに挙げられた。
一方で、江原ランドを除く国内主要カジノがすべて外国人専用であり、回復の動きが鈍い業種に挙げられていた。今回の外国人団体観光客の訪問で「オープニング」期待が高まっている。
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