2024 年 11月 29日 (金)
ホーム政治2カ月間、「現職」と「次期」の権力共存…「人事・赦免・外交」当選者の影響の余地 (上)

2カ月間、「現職」と「次期」の権力共存…「人事・赦免・外交」当選者の影響の余地 (上)

8日、映像閣議で発言するムン・ジェイン(文在寅)大統領(大統領府提供)©news1

現職大統領と次期大統領が存在する期間がやってくる。5年前、現職のムン・ジェイン(文在寅)氏が前任のパク・クネ(朴槿恵)氏の弾劾で当選直後に就任し、権力委譲期間がなかっただけに、このような状況は10年ぶりだ。次期大統領が政権引き継ぎ委員会を構成し、国政運営の青写真を描いて就任するまでの約2カ月間、新・旧権力が共存する絵だ。

◇現職大統領に準ずる待遇

大統領当選者は次の権力者であるだけに、現職大統領に準ずる待遇を受ける。

まず警護がそうだ。中央選挙管理委員会で当選が最終確定すれば、警護業務が警察庁から大統領府警護処に移される。その水準も国家元首としての警護に格上げされる。

それでも当選者はやはり「まだ当選者」だ。現職に準ずる礼遇を受けるだけで、依然として現職の権限が優先され、維持される。ムン大統領の任期は5月9日までだ。大統領府は「晩年のない政権」を標榜しているだけに「最後までやるべきことはやる」という立場だ。

◇人事

最も注目される人事権限は、ムン大統領が継続して行使する。複数の大統領府関係者は9日、news1の取材に「現在、どこにでも急きょ、入れる人事はないと聞いている」と話した。ただ、事実上、次期政権と仕事をする人物を指名することになるため、当選者側と事前に協議する見通しだ。仕事に対する専門性の有無を調べるのは基本で、次期政権が拒否感を持つ人物かどうか、確認する作業が進められるものと予想される。

当選者は大統領職引き継ぎ関する法律に基づき、大統領職引き継ぎのための「引き継ぎ委員会」を設置し、委員長を選定する。委員長が総括する「政府組織再編案」に関する双方の話し合いが円滑に進められるかも関心が集まっている。

2008年当時、当時のノ・ムヒョン(盧武鉉)大統領は、イ・ミョンバク(李明博)次期大統領の政権引き継ぎ委員会が打ち出した政府組織再編案に対し、拒否権行使を示唆していた。参加型政府の哲学と価値を崩す再編案だっただけに、国会で再編案が通過してきても関連法案に署名・公布しないということだった。

ムン大統領は自叙伝「運命」で、当時の状況について次のように振り返っている。

「事実、イ・ミョンバク政府引き継ぎ委員会が推進した政府組職改編案は、われわれが同意できない内容だったが、だからといって、われわれが何だかんだ言うことではなかった」

「問題は、われわれが同意できない政府組織法改正法案を、ノ大統領に公布してほしい、とまで要求したことだ。そのため、新旧政権間に葛藤が生じた。無理な要求だったと思う」

当時、議論の一つは、イ次期大統領の引き継ぎ委が「女性家族省の廃止」に言及したことだった。今回も、女性家族省がこうした議論の中心に置かれる可能性がある。

ムン大統領は8日、同省について「次期政権は同省の役割や名称、形態などに関して、新たな構想ができると考えている」としながらも「明らかなことは、女性家族省の運命がどのように決定されても、同省が管掌する業務一つ一つは非常に重要であり、さらに発展していかなければならないという点だ」と述べた。

当選者は、大統領職引き継ぎ法によって、大統領任期開始前に首相や国務委員候補者を指名できる。首相や大臣は国会人事聴聞会を経ることになるが、大統領選の結果次第で聴聞会のプロセスや結果も大きく揺れ動くものとみられる。現在、国会議席は300席のうち共に民主党が180席を持つ。

©news1

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