女子中学生を妊娠させて強姦などの罪に問われた企画会社代表の無罪判決に関わったチョ・ヒデ(曺喜大)氏が韓国の大法院長(最高裁判所長官)となった。チョ氏が大法院長候補として臨んだ国会人事聴聞会ではこの判決に焦点が当てられ、チョ氏は「法理に従ったまでだ」と述べた。
事件発生は2011年。当時42歳の企画会社代表は27歳年下の中学生と性的関係を持ち、自宅で同居を始めた。中学生は妊娠・出産し、2012年に代表は児童・青少年の性保護に関する法違反(強姦など)で起訴された。被告側は「愛し合っており強姦ではなかった」と否認したが、1審は懲役12年、2審は懲役9年を言い渡した。
しかし、最高裁は2014年11月、別の事件で収監されている被告に被害者が「愛している」という内容の手紙を送り続けていたことなどから恋愛関係にあったと認め、ソウル高裁に無罪の趣旨で差し戻した。
差し戻し審でソウル高裁は「無罪」としたため検察が上告したが、最高裁で2017年11月9日、無罪が確定した。この時の主審がチョ・ヒデ判事(当時)だった。
聴聞会で野党「共に民主党」のチョン・ヨンギ議員は「15歳の女子中学生と恋人関係という被告の主張を受け入れた判決には絶対同意できない。精神まで支配するグルーミング犯罪は法律が防がなければならない」と追及した。
チョ・ヒデ氏は「破棄差し戻し審で新たな証拠が提示されなかったので無罪とするほかなかった。拘束力法理に従っただけで、この事件自体を判断したわけではない」と釈明した。
さらにチョン議員が「合議を経て実体を審理すべきだったのでは」とただすと、チョ氏は「そんなことをしたら司法システムが存立できなくなる」と反論した。
つまり上告審が無罪の趣旨で差し戻した事件が再び上告された場合、司法システムを維持するためには上告審判決に従うしかないという意味だ。
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