世界の主要原油輸出国であるロシアのウクライナ侵攻に国際社会が強硬な制裁で対応したことを受け、国際原油価格が1バレル当たり110ドルを突破した。急激に高騰した国際原油価格は、国内の物価にも強い上昇圧力をかけるものと見られる。今年の物価上昇率が年間3%をはるかに上回るのはもちろん、4%を超えかねないという懸念も出ている。
新型コロナウイルス感染からの回復プロセスで石油需要が増加。供給はこれに追いつけず、国際原油価格が急激な上向き曲線を描いている状況だ。さらにウクライナ危機という突発的な事態が発生し、火がついた国際原油価格に油を注いだ。
米投資銀行のモルガンスタンレーは、今年第2四半期のブレント原油価格の予想値を、従来の1バレル当たり100ドルから110ドルに上方修正した。1バレル当たり125ドルまで値上がりしかねないという見通しも付け加えた。
国際原油価格大混乱の影響はロシアから3000キロ離れた韓国にも及ぶ見通しだ。物価安定を最優先目標に据えている韓国の中央銀行である韓国銀行はこれを「物価戦争」として受け止めている様子だ。
1週間前の先月24日、同行は「2022年の年間物価上昇率展望値」について3.1%と発表した。同行の物価安定目標の2%から1.1%ポイントも高い。これさえも、ロシアのウクライナ侵攻は考慮されていない数値だ。
同行関係者は「両国の戦争が激化するという状況を前提としたもので、戦争の様相が以前よりさらに先鋭化し長期化して国際原油価格が上昇すれば、国内物価に対する上方圧力もやはり拡大するしかない」と説明した。
©news1