2024 年 9月 8日 (日)
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10年止まり、また始動 [KWレポート] 未来都市ソウルへの階段 (7)

ソウル市は、世界最大規模の大観覧車「ソウルリング」を麻浦区のハヌル公園に造成することを決定した(ソウル市提供)(c)news1

「世界の人々が愛する魅力的なソウル」。これがオ・セフン氏の目標だ。市長はソウルを「グローバルトップ5」に入る都市にすると宣言した。昨年、ソウル市長就任後、MONEYTODAYとのインタビューで「ソウルはITインフラ、人的資源、山と川という自然資源もある。都市計画さえ成功すれば、5年以内に5位圏入りが可能だ」との見解を示した。「ソウルを住みたい町、行きたい町、投資して事業をしたい町にする」。こうした目標に向け、多様な開発計画を相次いで発表している。

◇「ソウルの競争力が韓国の競争力」

オ・セフン氏がソウルに力を入れる理由は、「ソウルの競争力が韓国の競争力」だと考えるためだ。世界はまさに都市間競争だ。各都市は、競争力を引き上げるために努力しているが、この10年間、ソウルは止まっていた――というのがオ・セフン氏の考えだ。

この間、放置されてきた世運(セウン)再整備促進地区を見て、オ・セフン氏は「血を吐きたくなる気持ち」と語った。同様に放置されてきた龍山国際業務地区も、大統領執務室の龍山移転を機に、必ず開発計画を実現するという意志を示した。アジアのシリコンバレーにするという目標を掲げ、土地の用途・容積率にこだわらない積極的な都市開発を推進中だ。

オ・セフン氏はシンガポールや欧州など革新デザイン建築物の模範事例となる都市をあまねく訪問し、都市計画を練ってきた。シンガポールでは、観光名所マリーナベイに位置する住居・観光・国際業務複合開発団地「マリーナワン」を見ながら、旧都心の競争力を高めるアイデアを思い浮かべた。

夕日の名所である「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」を訪れ、漢江(ハンガン)で夕日を満喫できる「グレートサンセット漢江プロジェクト」構想につなげた。フランス・パリ、スペイン・マドリード、オランダ・アムステルダムなど革新建築物を保有する欧州の都市も訪問し、ソウルの魅力を引き上げる方法について考え続けたのだ。

◇「本気で取り組む」

オ・セフン氏は、任期初めから「魅力的な都市を作る」との方針を表明してきた。代表的な例が、35階建ての高さ制限廃止を骨子とする「2040ソウル都市基本計画」(2040ソウルプラン)だ。ソウルプランはソウル市が推進する各種計画の指針となる最上位空間計画だ。今後20年間、ソウルが目指す都市空間の未来像を盛り込む。既存の硬直的・一律的な都市計画規制から脱皮し、多様な未来の姿を盛り込むことができる柔軟な体系に転換したという点が核心だ。

「本気でソウルの変化に取り組む」という評価を受けるオ・セフン氏は、不動産市場が低迷期にあることを逆手に取って活用してきた。いくら優れた開発計画があっても不動産価格が急騰したり、不安定になったりすれば、事業の推進が難しい。

一例として、恩平(ウンピョン)区碌磻洞(ノッポンドン)のソウル革新パークは、市有地の中で規模が最も大きいが、10年間まともに活用されなかった。市はここを巨大複合施設「COEX(コエックス)」より規模が大きい60階レベルの業務・商業・文化複合団地として開発する。

(おわり)

(c)MONEYTODAY

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