韓国で、地方を中心にチョンセ保証金率(売買価格対傳貰保証金の比率)が80%を上回る「カントン(空き缶)チョンセ」(チョンセ保証金を失う危機に陥ること)の危険信号が灯っている。ソウルも例外ではないようだ。今年だけで共同住宅576カ所でのチョンセの額が売買価格を上回る取引がなされ、保証金より安い価格で家を購入する「マイナスギャップ投資」も続出している。
韓国都市研究所がこのほど、売買・チョンセ契約が今年締結されたソウル共同住宅5146カ所を調査した結果、平均のチョンセ保証金率は62.3%だった。
チョンセ保証金率は年平均のチョンセ金額を年平均売買価格で割って計算する。通常、チョンセ保証金率が80%を超え、家が競売に付されればチョンセ保証金を返してもらえない「カントンチョンセ」と見なされる。平均62.3%はまだ良好な水準だという評価だ。
平均値はまだ良好だが、地域差は大きかった。チョンセ保証金率がカントンチョンセの危険水準である80%を超える団地も計1940カ所に達し、全体の37.7%を占めた。
この中にはチョンセ保証金率が100%以上で、すでにチョンセ価格が売買価格を上回ったところが576カ所にもなった。全体の10分の1を超えるレベルだ。このような場合は、住宅都市保証公社(HUG)のチョンセ保証金返還保険にも加入できず、借家人の保護が困難になる。
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