2025 年 1月 3日 (金)
ホームライフスタイル1日12時間介護、認知症患者家族、半数が「睡眠障害」…韓国研究チームが分析

1日12時間介護、認知症患者家族、半数が「睡眠障害」…韓国研究チームが分析

(c)MONEYTODAY

韓国で、認知症患者と一緒に暮らす患者家族の半分近くが、睡眠障害で苦しんでいることがわかった。認知症患者と同居する人の睡眠障害の危険性は、認知症患者がいない人の1.4倍だった。

円光大学医学部予防医学科のイ・ヨンフン教授チームが、2018年8~10月に疾病管理庁の地域社会健康調査に参加した19歳以上の成人21万5676人を対象に、家庭内認知症患者の有無による睡眠障害発生リスクを分析した。

チームは、分析対象者を▽認知症患者と同居グループ▽認知症患者と非同居グループ▽家族の中に認知症患者がいない一般グループ――の3グループに分けた。彼らの睡眠の質評価のために「ピッツバーグ睡眠質問票」(Pittsburgh Sleep Quality Index)ツールを利用した。PSQI点数(0~21点、点数が低いほど睡眠の質が高いことを意味)が5点を超えると睡眠障害があると判定した。

対象者数は、認知症患者同居グループは2445人(1.1%)、認知症患者非同居グループ(家族の中で認知症患者がいるが、一緒に住んでいないグループ)は9132人(4.3%)、家族の中で認知症患者がいない一般グループは20万4099人(94.6%)だった。

PSQI点数が5点以上の睡眠障害有病率は、認知症患者同居グループで48.3%で最も高かった。次は認知症患者の非同居グループ(40.7%)、家族の中で認知症患者がいない一般グループ(38.8%)の順だった。家族の中で認知症患者がいない一般グループより、認知症患者同居グループと認知症患者非同居グループの睡眠障害リスクはそれぞれ1.4倍、1.2倍高かった。

認知症は退行性・進行性・非可逆性の特性を持つ疾患で、家族の介護期間が長期化するのが一般的だ。高齢者認知症患者の介護期間は平均5.1年で、高齢者がん患者より4倍以上長く、介護に1日平均12.2時間かかる。認知症患者の介護負担は相対的に強度が高いうえ介護時間が長く、長期間にわたる傾向がある。このため、家族に身体的・精神的・心理的負担を与え、睡眠の質を低下させる。

チームは論文で「現在認知症患者との同居の有無とは関係なく、認知症患者家族は一般人より睡眠の質が低いことが確認できた。地域社会で認知症を見守るためには、認知症患者だけでなく認知症患者家族の精神健康管理と社会的支援が必要だ」と語った。

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