2026 年 3月 6日 (金)
ホーム政治北朝鮮1年ぶりに姿見せた北朝鮮の宣伝責任者…金正恩総書記は「処罰より幹部の再登用」戦略強化か

1年ぶりに姿見せた北朝鮮の宣伝責任者…金正恩総書記は「処罰より幹部の再登用」戦略強化か

ひな壇に座るリ・イルファン書記(左端)=11日付労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮の朝鮮労働党で宣伝部門のトップを務めるリ・イルファン(李日煥)宣伝書記が、約1年ぶりに公式の場に姿を現した。一時は「粛清説」まで取り沙汰されていたが、今回の復帰を受けて、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の人事方針が処罰から再登用へと変化しているとの見方が強まっている。

朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」など北朝鮮メディアは12月10日、前日に開かれた第8期第13回党中央委員会総会の模様を報道。その報道写真では、リ・イルファン書記がキム総書記の隣に座り、パク・テソン(朴泰成)首相やチェ・リョンヘ(崔龍海)最高人民会議常任委員長、チョ・ヨンウォン(趙甬元)組織書記らと共に主席壇の最前列に座っている姿が確認された。

リ・イルファン氏は2025年1月2日に開かれた新年慶祝行事を最後に、公の場から姿を消しており、その長期不在から「重大な処分」あるいは「粛清」の憶測が浮上していた。

一部では、リ・イルファン氏が地方幹部の不祥事に関連し謹慎処分を受けていた可能性も指摘されている。また、健康問題により業務から離脱していた可能性も否定できないと、韓国政府関係者は見ている。

キム総書記は、執権初期には、政敵や側近を大量に粛清し、叔父チャン・ソンテク(張成沢)氏を処刑するなど「恐怖政治」で知られたが、近年は幹部を「使い回す」方針に転じている兆しがある。

実際、側近のチョ・ヨンウォン氏も地方幹部による接待事件の責任を問われて一時姿を消したが、2カ月後に復帰している。また、軍部の高官であるパク・チョンチョン(朴正天)氏も2021年に解任されたが、数カ月後に復職した前例がある。

北朝鮮情勢の専門家らは、これらの事例からキム総書記の幹部運用戦略に変化が見られると分析する。

統一研究院のホン・ミン主任研究委員は「かつては大きな過失を犯した幹部に対し、粛清や地方左遷(革命化)をしていたが、現在は成果主義の観点から一時的な処罰後に再登用する傾向が見られる」と指摘。

また、慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授も「宣伝部門はキム総書記にとって、政権の業績を人民に浸透させるために最も重視する部門。リ・イルファン氏の1年にわたる『沈黙』は、キム総書記の人事管理がいかに厳格であるかを示している」と述べた。

ただ、北朝鮮当局はリ・イルファン書記の不在について公式な説明を一切しておらず、健康上の理由で業務を離れていた可能性も排除されていない。

(c)news1

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