
空き瓶が軽やかにぶつかり合う音が工場内に満ちていた。数千本の「テラ(TERRA)」の空き瓶が高速でレールの上を動く様子は、緑の波が揺れているようにも見えた。韓国江原道洪川郡にあるハイト眞露の江原工場内部の光景だ。メガ・ニュース(MEGA News)のキム・ミナ記者が12月11日に訪れた。
1997年に竣工したハイト眞露江原工場は、洪川江に沿って約16万坪(52万8925㎡)の敷地に建てられている。国内最大規模のビール工場であり、年間50万キロリットルのビールを生産することができる。
ハイト眞露は1998年6月に見学館「ハイトピア」を開設し、消費者にビールの製造工程や環境にやさしい工場について広報を始めた。2024年8月にはハイトピアの名称を「ハイト眞露パーク」に変更し、コンテンツ体験を強化した空間としてリニューアルした。これまでの累計来場者数は約1万6000人に達する。
見学は事前予約制で、映像館で広報映像を視聴した後、ビールの製造工程の順に沿って進行される。見学の最後には、洪川江と道鈍山を背景に、できたてのビールを試飲しながら体験イベントも楽しめる。

◆自動化で品質向上
ハイト眞露江原工場で出会った品質管理チーム長のキム・テファン氏は「品質管理には非常に気を遣っている。数千万分の一の確率で品質検査に落ちるビールが出る。それも異物混入ではなく、容量不足などが理由だ」そうだ。
品質への自信の背景には、江原工場の自動化と厳格な管理体制がある。この日見学した工場内部では、工場の規模に対して生産ラインで働く労働者の姿を見つけるのが難しかった。工場が竣工した当初から自動化設備が導入されていたためだ。
その代わりに、ビール製造工程を管理する自動制御システム「コントロールルーム」が設けられており、ここでスタッフが大型モニターを通じてビールの状態を監視している。
工場見学はビールの製造工程に沿って進められた。最初に訪れたのは糖化室で、ここでは主原料である大麦が保存された巨大なサイロが立ち並んでいる。保存された大麦の芽を出させて乾燥させると「麦芽」になり、それを粉砕して温水を加えて加熱すると、甘みのある「麦汁」が作られる。
その後、麦汁から苦味のあるタンニン成分やタンパク質を取り除く「ろ過」工程を経て、冷却機で急冷され、発酵過程を経てビールが完成する。

貯蔵日数は国によって異なり、ヨーロッパでは約4日間保存するのに対し、韓国では最低20日以上発酵・貯蔵する。江原工場には全部で108基の貯蔵タンクがあり、1基あたりの容量は60万リットル。成人が1日にビールを10本飲むと仮定すると、330年間飲み続けられる量だ。
ビール原液を作る工程の後は、容器の種類に応じて工程が分かれる。瓶、アルミ缶、生ビール用の業務用容器、ペットボトルに詰める工程だ。
各地から回収されたビール瓶は自動化設備によって、1分間に1000本のペースで選別機を通過する。外部接触などで白く変色した瓶や、変形した瓶は監視カメラで検出され除去される。
合格した瓶は洗浄・殺菌の工程を経て、外部と密閉されたビール注入工程へと移される。最終の注入工程は外部と隔離された密閉空間で進められる。非加熱処理ビールが低温で充填されるため、注入時に細菌が侵入するのを防ぐための措置だ。この工程を経て、1分あたり1000本、1日最大400万本の瓶ビールが生産される。
キム・テファン氏は「この日生産されたビールは、社内の品質検査を経て約1週間以内に出荷され、顧客に届けられる」と話した。

◆できたてのテラ・ケリーを味わえる試飲ゾーンも用意
ビールの生産工程を見学した後は、体験スペースへと続く。展示館には、歴代の広告モデルたちのポスターが並べられており、チョ・ヨンピル、ウォンビン、イ・ヒョリ、ユン・ドヒョン、イ・ビョンホン、コン・ユらを経て、現在のモデルであるソン・ソックのポスターも掲示されていた。
来場者に最も人気のある空間は、洪川江を見下ろしながらできたてのビールを楽しめる試飲ゾーンだ。ここでは、できたてのテラとケリーの生ビールを1時間半の制限時間内で無制限に味わうことができる。

そのほかにも、ビールの中に入ったような感覚が楽しめる「360度LED映像館」や「フォトゾーン」「ソメク(焼酎+ビール)資格証発行」「MDゾーン」などが設けられている。
生産支援チーム長のイ・ファジョン氏は「工場見学を通じて、手間ひまかけて高品質のビールを作っていることをお客様に実感してもらえたらうれしい。信頼できるビールを作って、ハイト眞露のビールを選んでもらえるよう努力している」と述べた。
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