2025 年 4月 17日 (木)
ホーム政治1兆ウォン規模「韓国軍ブラックホーク」性能改良事業…KAI“輸出型K-ヘリ”戦略 vs 大韓航空の“30年ノウハウ”

1兆ウォン規模「韓国軍ブラックホーク」性能改良事業…KAI“輸出型K-ヘリ”戦略 vs 大韓航空の“30年ノウハウ”

2024年5月22日、合同爆発物処理セミナー・訓練で、UH-60ヘリから降下する海軍特殊戦戦団(UDT)の爆発物処理要員=韓国海軍提供(c)news1

韓国軍が運用する中型特殊作戦ヘリ「UH/HH-60(ブラックホーク)」の老朽化した電子装備やエンジン性能を全面的に改良する約1兆ウォン規模の大型事業をめぐり、韓国航空宇宙産業(KAI)と大韓航空が熾烈な受注争いを繰り広げている。

業界によると、両社は3月25日、防衛事業庁に9613億ウォン相当のブラックホーク性能改良事業に関する入札提案書を提出した。防衛事業庁は4月末に優先交渉対象企業を選定する。

この事業は、1990年代から運用されているUH-60およびその改良型HH-60の航空電子システムのデジタル化と機体構造の改良を通じて、機動性を向上させ、作戦能力を維持・強化することが目的だ。

KAIはこれまで「スリオン」「ミルオン」など、国産ヘリコプターの設計・製造ノウハウを蓄積してきた。これにより、設計解析から試験評価に至るまで一貫した技術力を持つとされ、ブラックホークの改良にもその経験を活かせると自信を見せる。

加えて、機体が設計通りに製造されているかを検証する耐空性認証能力もKAIの強みだ。KAIは韓国内で最多の認証実績を持ち、専門組織も保有している。

また、米国の原機体製造会社であるシコルスキー社と技術協力契約を結び、専門技術者の支援を受けながらリスクを最小化。航空電子分野はハンファシステムズ、機体改良・統合はイスラエルのエルビット・システムズと提携し、完成度を高める体制を整えた。

KAIは今回の事業を通じてヘリ技術を高度化し、「K-防衛産業」輸出の柱とする戦略だ。昨年は多目的機動ヘリ「スリオン」をイラクに輸出し、韓国ヘリの初輸出の事例を作った。

一方、大韓航空は1991年に韓国で最初にUH-60の整備を開始して以来、30年以上にわたって米韓軍のブラックホーク機の改良・整備(MRO)事業を担ってきた実績をアピールしている。

UH/HH-60に関する豊富な知識と現場ノウハウを持ち、設計・製造・整備まで一貫して対応できる点を強調している。加えて、米コリンズ社の特殊作戦ヘリ用検証システムを導入・国産化し、LIGネクスワンと共に搭乗員生存システムや航空電子装備の開発にも着手している。

また、ブラックホーク専用の整備施設や技術資料、専用装備を保有しており、性能改良と定期整備を同時に実施することで作戦稼働率を最大限維持できるのも強みとされる。

大韓航空関係者は「単なる一次改良にとどまらず、UH/HH-60の導入から退役まで責任を持つ総合パートナーとして事業に取り組む」と述べている。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular