「少子化というのに、どうして1歳の誕生日祝いの予約が難しいのか」
「今年11~12月の結婚式場予約がこんなにいっぱいだとは……」
韓国のママカフェ(ママ同士の交流サイト)や結婚式準備コミュニティなどでしばしば見られる投稿だ。過去最低の出生率で非婚族も増えている。しかし、出産や育児施設、結婚式場を探すのはさらに難しくなったいう苦情が殺到している。特に高級な施設ほど予約するのは困難だ。
Aさんは最近、子どもの1歳の誕生日パーティーのために高級ホテルのレストランの予約開始時間に合わせて家族と携帯電話を持って待機していた。受付開始時間ぴったりに同時に電話をかけたが、結局予約できなかった。ホテル側は通常、利用日の2カ月前に電話だけで予約を受け付けるが、予約が一気に殺到したという。
ウェスティン朝鮮(チョソン)ホテル関係者も「希望する日の予約が難しいという話を多く聞いているが、予約時間帯に電話が1万本近くかかってきてホテルでも対応するのが容易ではない」と話す。
産後ケアセンターの状況も同じだ。出生児数が毎年減り、産後ケアセンターが相次いで廃業した影響が大きい。保健福祉省によると、昨年上半期の全国産後ケアセンター数は475カ所で、2017年の598カ所より20%減少した。同期間、費用は241万ウォン(1ウォン=約0.1円)から307万ウォンに上がった。
しかし、実際の体感価格はこれよりはるかに高いという意見が多い。産後ケアセンターが不足しているうえ、残っている施設が高級化しているからだ。同じころに出産したママ同士のネットワークが重要だと口コミが広がり、ソウル・江南(カンナム)にあったり、2週間で数千万ウォンを超えたりするプレミアム産後ケアセンターでは、産婦たちの間で人気がさらに高い。
新型コロナウイルス感染で先送りしていた需要が集中した結婚式場も予約が困難な状況だ。1億ウォン(約1000万円)台を超えるソウル新羅(シンラ)ホテルの結婚式場も、すでに年末まで空がないという。ホテル新羅関係者は「やはりパンデミック期間に先送りしていた需要が増えた影響があるようだ。新型コロナ感染症の期間は人数制限などがあったが、今はこのような規制がなくなり、予約がさらに早く締め切られている」と話した。
専門家は、結婚や育児が経済的条件や情報収集能力と密接に関係していることの表れだとみている。
仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は「SNSなどを通じて他人の育児や結婚についての情報に接することが極めて容易になった影響が大きい。情報に接すれば接するほど、最終的にはプレミアムに目が行く。皆が同じ市場に入ってくるので、予約が困難になってくる」と分析した。
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