ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故の前に、ソウル龍山(ヨンサン)消防署がハロウィンデー期間に梨泰院に大規模な人出があると予想し、災難・安全事故に備えた非常対応システムを樹立していたことがわかった。だが、事故当時、こうしたシステムは思うように機能しておらず、論議を呼びそうだ。
ソウル市の「情報疎通広場」に掲載された龍山(ヨンサン)消防署の「2022年ハロウィンデー消防安全対策」によると、龍山消防署は先月28日から今月1日まで梨泰院一帯に60人(職員12人+義勇消防隊員48人)の人員を配置する計画を立てた。関連対策として「ハロウィンデー期間中に梨泰院地域の大規模な人出による災難および安全事故に備えた非常対応体系確立」を策定した。
推進計画の詳細にも、主要任務として「火災および安全事故発生時の迅速な状況対処、応急患者発生時の応急処置および病院移送など」という内容が盛り込まれた。龍山消防署の対策報告書は先月25日に作成・掲載されたもので、梨泰院事故が起きる4日前だった。事前に梨泰院に人出が集中することを予想し、関連対策が必要だという点も認知したのだ。
しかし、事故当日、龍山消防署では内部的に人出が集中したという報告がなされたり、危険を認知したりした事実はなかった。龍山消防署関係者は「人出が多いという話は聞かなかった。火災予防や危険などを中心に調べた」という。
実際に事故発生直前の先月29日午後6~10時ごろ、龍山消防署は消防士4人と義勇消防隊員12人(午後6~8時6人、8~10時6人)を梨泰院地域に配置し巡察勤務をするようにしたものの、人の集中などに関する措置は1件もなかった。
また、午後6時から事故発生時刻の午後10時15分まで、119によって梨泰院一帯で計17件の通報が受け付けられたが、危険を認知・伝播されていなかった。龍山消防署関係者は「分かっていたら対処しただろう。消防の主業務は火災の危険を予防する活動であり混雑度、秩序管理などは原則的に警察の業務」と釈明している。
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