2025 年 4月 12日 (土)
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黄海の韓中共同水域に中国の巨大構造物…南シナ海の再現?韓国側で高まる緊張

先月11日、オーストラリア沿岸のトレス海峡を航行する中国の海軍護衛艦(c)AP/NEWSIS

中国が黄海にある韓中暫定措置水域(PMZ)で無断に設置している鉄骨構造物が、海上影響力を強化するための布石であるとの見方が出ている。南シナ海と同様に、将来的にこの構造物を根拠に領有権を主張する可能性も否定できないという警告だ。韓中両国は毎年、海洋境界線の画定に関して協議しており、現状では外交的抗議による抑止力が最善の対応とされている。

韓国海洋科学技術院(KIOST)海洋法・政策研究所のヤン・ヒチョル所長は23日、MONEYTODAYとのインタビューで「韓中両国は毎年、海洋境界画定会議を通じて“海の国境線”を定めている。国際的には隣接国間で海洋管轄権が重なる場合、相手国の同意なく構造物を一方的に設置する行為は控えるべき義務がある」と指摘した。

さらにヤン所長は「中国側の論理は『中国は大国であり、韓国の領海を侵犯したわけではない』という立場だ。陸地と異なり、海洋は毎年境界線を調整しているため、国際法の問題ではなく、外交的な抗議を通じた抑止が最も効果的だ」と語った。

韓国情報当局によると、中国は昨年4月から黄海PMZに鉄骨構造物「深藍」を設置している。この構造物は直径70メートル、高さ71メートル以上とされており、現在までに「深藍」1・2・3号が確認されている。今後も設置が続くと見られる。

韓国の海洋科学技術院の調査船「オンヌリ号」が最近、深藍構造物の点検を試みた際、中国側はこれを阻止しようとし、双方の海警が対峙する事態となった。オンヌリ号が構造物から約1キロメートルまで接近すると、中国海警と民間人が乗ったゴムボート3隻が接近し、調査装備の投入を妨害したとされる。

これに対し、韓国海警は艦艇を急派し、現場で中国側と約2時間にわたり対峙した。中国側は「深藍は養殖場なので立ち去るように」と要求し、韓国側は「正当な調査活動だ」と応じたという。

黄海PMZは、韓国と中国の200海里の排他的経済水域(EEZ)が重なる地域の一部であり、「海の国境線」とも呼ばれる。この水域では両国の漁船が共同操業し、水産資源が共同管理されている。しかし、航行や漁業以外の施設物設置や資源開発は原則として禁止されている。

一部専門家は、韓国の不安定な政治状況を利用し、中国が南シナ海と同様の手法で黄海における海上影響力を拡大していると分析する。中国は南シナ海で人工島を建設し、フィリピンやベトナムと領有権を巡る対立を続けており、東シナ海でも天然ガス田の掘削施設を設置し、日本との間で対立が続いている。

韓国の外交安全保障専門家は「中国にとって、米国との戦略競争において海洋力の拡大は極めて重要だ。南シナ海に続き、黄海でも影響力を徐々に拡大する『黄海プロジェクト』が進行中であり、自国の軍艦進出ルートの確保などを狙っている」と指摘した。

(c)MONEYTODAY

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