
韓国・京畿道龍仁市の道路で、スポーツカー「シボレー・カマロ」が茂みを突き破って飛び出し、家族が乗った車と正面衝突するという危険な事故が発生した。原因は、前夜の飲酒による「宿酔(しゅくすい)運転」だった。オンライン上では、この運転者が鹿のように飛び出してきたことから、韓国語で「鹿」を意味する「コラニ(ノロジカ)」になぞらえ、「カラニ」という新語まで誕生した。
事故が起きたのは、9月9日午前9時ごろ。龍仁市の道路のランプ区間で、カーブを走行していたキア・カーニバル車両の前に、赤いシボレー・カマロが草むらを突き破って突然飛び出し、正面から衝突した。この瞬間の映像は、交通専門YouTubeチャンネル「ハン・ムンチョルTV」によって公開された。

衝突の衝撃でカーニバル車両の前部は大きく損傷し、エアバッグが作動。車内には運転していた男性、その配偶者、そして2歳と4歳の子ども2人が同乗しており、家族全員が2~3週間の治療を要するけがを負った。特に幼い子どもたちは、事故後に夜中に頻繁に目を覚ますなど、精神的なトラウマにも苦しんでいるという。
加害者であるカマロの運転者は、前夜に交際相手と酒を飲み、代行運転を利用して帰宅したが、翌朝には再び車を運転。検査の結果、血中アルコール濃度は0.065%と、免許取り消し基準を上回っていた。
交通専門の弁護士であるハン・ムンチョル氏は「アルコールを1本半程度飲んだ場合、翌朝まで残る可能性がある。このケースは『特定犯罪加重処罰法』上の危険運転致傷罪に該当する可能性が高い」と指摘。そのうえで「もしカマロが総合保険に加入していれば、飲酒状態であっても保険から補償を受けられる。まずは損害賠償請求を進めた上で、刑事合意を図るのが望ましい」と助言している。
この映像を見たネットユーザーからは、「ノロジカは見たことあるけど、“カラニ”は初めて聞いた」「飲酒運転なんて信じられない」「もしカーニバルがもう少しスピードを出していたら、もっと大きな事故になっていたかもしれない」と、怒りの声が同時に上がっている。
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