韓国京畿道の支援を受けた韓国研究チームが、うつ病の緩和効果のある人工知能(AI)健康管理サービスを開発した。研究チームは、このサービスをロボットに搭載し、一人暮らしのお年寄りの家庭で活用できるようにする計画だ。
京畿道によると、道地域協力研究センター(GRRC)で研究を進める嘉泉(カチョン)大コンピュータ工学科のファンボ・テクグン教授のチームは、仮想キャラクターとの会話を通じて、老年層や一人世帯の精神の健康を管理できるAI健康管理サービスを開発した。老年期うつ病評価尺度(Geriatric Depression Scale=GDS)に基づく30あまりの問いかけ文を対話型に加工した。
老年期が関心を持つ健康、趣味、対人関係などのテーマと、喜び、悲しみ、怒り、寂しさなど8つの感情に対して分類されており、AIが対話相手の感情と、話のテーマを把握して対応できるようにした。
例えば、仮想キャラクターは「最近、急に気分が疲れて、沈んだり、憂うつになったりすることが、よくありますか」といった質問も可能だ。これに対し、使用者が「うちの子犬が、いかに愛嬌を振りまいて、かわいらしいしぐさをするのか。憂うつになる暇がない」と答えると、「いいですね。ペットは本当に人に幸せな気持ちを与えてくれます」と答える――という段取りだ。
また、「最近、ささいなことでも怒ることが多いですか?」などと質問し、使用者が「子供たちからの電話が1本もないね。忙しいと知っていても、憎たらしくて寂しかったよ。昔はそうじゃなかったのに」と答える。すると「気分が悪くなるでしょう。私も同じ気持ちです」と答え、相手の感情に合わせた対応が可能だ。
嘉泉大チームは参加企業「ロボケア」とともに、今年から家庭用デイリーケアロボット「ポミ」にAI健康管理サービスを順次加えていく予定だ。
2020~2021年に発売されたポミI・IIロボットは、脳力向上のための個人用認知訓練ロボットで、認知ゲームや応急通知、服薬通知サービスなどが可能な自動走行移動型ロボットだ。
京畿道は、今回開発した技術が搭載されれば、対話はもとより、自ら総合看護が可能な知能型ヘルスケアロボットとして、ワンランク上の機能が実現するとみている。また、関連ロボットが高齢者対象の看護や介護人材に代わり、社会的にも大きな貢献をするものと期待している。
京畿道のアン・チグォン科学技術課長は「AI健康管理技術で老年期の方々の精神健康の治療効果を得られるものと期待している。商用化を積極的に進め、道内のヘルスケア企業の売上を伸ばすためにも最善を尽くす」と述べた。
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