2025 年 6月 5日 (木)
ホーム社会高齢化で財布のひもが固く…韓国・消費低迷の半分は「人口構造」が原因

高齢化で財布のひもが固く…韓国・消費低迷の半分は「人口構造」が原因

病院の新生児室(c)news1

韓国銀行が6月1日に発表した報告書によると、過去10年間にわたる民間消費の鈍化は、単なる景気要因ではなく、人口構造の変化による影響が約半分を占めると分析された。少子高齢化に伴う消費基盤の弱体化が鮮明になっており、金利政策などの短期対応では限界があると指摘されている。

韓銀の「人口構造の変化が消費低迷に与える影響」報告書によると、2013~2024年の民間消費の年平均増加率は、2001~2012年に比べて1.6ポイント減少。このうち、人口減少と高齢化の影響は年平均0.8ポイントと推定され、消費低迷の約半分を占める。

同報告書では、2025年以降、人口構造要因による民間消費の減少幅は年間1.0ポイントにまで拡大すると見通している。

人口構造が消費に与える影響の要因として、韓銀は▽生産年齢人口および総人口の減少▽人口ピラミッドの変形(若年層減少、高齢層増加)▽社会保障支出の拡大▽単身世帯の増加――を挙げている。

まず、生産年齢人口の減少により労働投入が減少し、所得環境が悪化。とりわけ、経済活動の中心である30~50代の雇用状況と労働時間が減り、消費の土台が揺らいでいるという。

この結果、所得要因だけで民間消費が0.6ポイント減少。内訳は、人口減少が-0.2ポイント、人口構成変化が-0.4ポイントに及ぶ。

韓銀のパク・ドンヒョン次長は「この消費減退はGDPの成長率低下とほぼ同じ意味を持つ」と説明した。

さらに、平均寿命の延びによる予備的貯蓄の増加や、消費性向の高くない高齢層の比率増加も重なり、消費性向(可処分所得に対する消費の割合)は2010~2012年の76.5%から2022~2024年には70.0%まで6.5ポイント下落した。

消費性向の低下要因としては、寿命延長(-0.1ポイント)、人口構成変化(-0.1ポイント)が指摘され、これらがトレンドとしての消費増加率を0.2ポイント引き下げた。

報告書の著者らは「こうした構造的な消費低迷には、金利引き下げのような短期処方ではなく、より抜本的な構造改革が必要」と主張した。

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