最近、航空機が飛行中に突然の乱気流(turbulence)に遭遇することがよくある。この時、機体は激しく揺れ、乗客はパニックに陥る。乗客が頼れるのはシートベルトだけだ。
私の考えではシートベルト着用率が一番高い交通手段が航空機ではないかと思う。
航空機が飛行中にこのような乱気流に遭遇すると、機内座席の上にシートベルト着用を知らせるサインが表示される。点灯するとともに「ポーン」というサイン音を一度は聞いたことがあると思る。
「ポーン」という音が何回聞こえたかによって飛行状況も推測できるので、あらかじめ知っておくのも良いだろう。
◇乱気流のサイン
このサイン音は、航空機のコックピットから客室乗務員に伝えるサインだ。乗務員はこの音を聞いて飛行状況によって機内サービスの中断や乗客にシートベルト着用を案内することになる。
まず、シートベルト着用サインが点灯すると、「ポーン」という音が続けて3回鳴ります。このサイン音は、その航空機が滑走路から離陸するというサインです。
パイロットの間では「魔の11分」という言葉がある。離陸後3分と着陸前の8分が一番気をつけなければならないという意味だ。
離陸した航空機が飛行中にサイン音が鳴ると高度1万フィート上空を飛行するということだ。
また、サイン音が1、2回鳴った場合、乱気流に遭遇したというサインになる。
乱気流は、気流が予測できない不規則で不安定に流れる現象だ。空気層間の密度と温度差、風の方向と強さの差が急激な時に生じ、空気の流れが非常に活発になる夏場と赤道付近で特に多く起こる。このため乱気流を「夏の招かれざる客」と呼ばれることもある。
特に雲のない乾いた空にも乱気流が発生する。これを「晴天乱流(CAT・Clear Air Turbulence)」という。
晴天乱流現象は気象レーダーにも映らない。晴天乱流が発生する原因は、対流圏と成層圏の境界面で吹く強いジェット流によって、その周辺の空気が撹乱されるためだ。特に強い気流が山脈を越える時、その山脈の風下に強い竜巻が生じるいわゆる山岳波(Mountain Wave)によって発生する。
韓国の空港からのルートのうち、乱気流に遭遇する可能性が高い路線は、主に赤道地域を通過する路線だ。仁川―オーストラリア・ニュージーランドなどの大洋州路線や仁川―ジャカルタ・バリなどの東南アジア路線などだ。香港や東京などの路線は、空気の流れが活発な7~8月に乱気流が多く発生する。
この場合、状況によっては機体が激しく揺れることがあり、乗務員は機内サービスを直ちに中断し、乗客にシートベルト着用を案内することになる。
◇着陸サイン
航空機が目的地に近づくと「ポンポンポン」というサイン音がする。ポンというサイン音が3回鳴るのは、その航空機が着陸するというサインだ。
最後に、航空機が目的地の空港に着陸すると、ポーンという音が一度鳴ります。これは、航空機が無事に到着したというサインとなる。
ただ、このサイン音が聞こえたからといって、シートベルトを外して機内の手荷物を取ってはいけない。必ず航空機が駐機場に着いて、乗務員の案内に従うことで航空機内の大小の事故を防ぐことができる。
(c)NEWSIS