Startup Story ~~ 成功のカギ
クリエイトリップ(Creatrip) イム・ヘミン代表
いまや韓国を訪れる外国人は景福宮(キョンボククン)、明洞(ミョンドン)のような特定の観光地だけを見物することを望んでいない。BTS、「パラサイト~半地下の家族」「イカゲーム」など映画、ドラマ、音楽を通じて身近になった韓国の、ありのままの姿を楽しもうとしている。
「韓国プラットフォーム」を打ち出したサービスで外国人観光客から好評を得ている「クリエイトリップ(Creatrip)」のイム・ヘミン代表も、このような韓国観光トレンドの変化に注目した。
「知人に外国の人が多かったのですが、その人たちが当初、私が韓国人であることに関心がありませんでした。ただ普通の友達の1人にすぎませんでした。それが、だんだんと『そうだ、君は韓国人だったんだね』と言われるようになりました。“ドラマを見ていたら韓国のものだった”“歌手が好きだったけれど、それがK-POPだった”というのです。それで韓国コンテンツの成長で市場が大きいと考えて、韓国プラットフォームビジネスを構想しました」
イム代表が事業の準備をしながら気づいたのは、韓国の訪問客や訪問希望者のほとんどが、大げさな観光コンテンツより、ちょっとした日常的なことに、より関心があるということだった。
「韓国を訪れる旅行客を見ると、素敵なトロピカルリゾートや欧州のような歴史的な遺跡を楽しむために来るのではないということがわかりました。韓国旅行に来る人は韓流ファンが多く、旅行が好きで韓国に来るというより、韓国が好きで韓国に来るのだと考えるようになりました。大きくて華やかな遺跡や観光地より、韓国のヘアサロンやカフェなどに関心があるのです」
イム代表のこのような考え方はおのずと、ビジネスの拡大につながった。スタートは旅行だったが、サービス利用客のほとんどが、韓国の日常的なものが好きだという点に着目し、外国人向けに韓国製品の直接購入ビジネスを始めた。
旅行と購入は互いに密接につながっている。旅行サービス利用客が帰国後、購入プラットフォームを直接、利用したり、逆に購入利用客が旅行をするという形で相乗効果を生んでいる。
こうした成果が認められ、クリエイトリップはGoogleの中小開発会社成長プログラム「チャング(窓口)」の支援スタートアップに選ばれた。クリエイトリップはチャングの支援でアプリとウェブサイトを安定的にマッチングさせる作業を終えた。
そうなれば、最も韓国的な姿が込められた「韓国プラットフォーム」クリエイトリップが考える次の有望な韓国コンテンツは何だろうか。
イム代表が真っ先に挙げたのは、韓国語だった。
新型コロナウイルス感染の大流行で韓国の入国者が70~80%減った時も 韓国語学習オンラインサービスの利用者は20%程度の減少にとどまりました。K-POPが単に、韓国の音楽ではなく一つのジャンルとなり、外国では韓国人でない人がK-POPを楽しんでいます。歌には韓国語が入ります。ドラマも韓国語がわかってこそ、より意味があります。韓国コンテンツの成長とともに韓国語の需要が増え続けると思います。これが韓国語学習オンラインサービスを開始した理由でもあります」
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