
頭にLEDの光を照射するだけで、お酒を飲みたいという欲求が減少する――こんな研究結果が韓国で発表された。中毒治療に光と脳波を活用するデジタル治療薬の開発が可能になりそうだ。
蔚山科学技術院(UNIST)は8月26日、バイオメディカル工学科のチョン・ドンイル教授の研究チームが、脳にLEDを照射する経頭蓋光刺激(tPBM)がアルコールに対する渇望と依存の両方を低下させることを確認したと明らかにした。
臨床試験は、延世大学校医学部セブランス病院のチョン・ヨンチョル教授、成均館大学校医学部サムスンソウル病院のチェ・ジョンソク教授、ソウル大学心理学科のアン・ウヨン教授らと共同で進められた。
試験には合計3つのグループが参加した。一つのグループは経頭蓋光刺激のみ、別のグループは迷走神経電気刺激(taVNS)、最後のグループはこの二つを併用して適用した。
刺激には、バイオテクノロジー新興企業「アイメディシン(iMediSync)」が開発した「iSyncWave」機器が用いられた。参加者は5週間にわたり、1日15分、週5回以上自宅で自己治療をした。
臨床の結果、迷走神経刺激のみを受けたグループでは特に変化が見られなかった。一方で、光刺激を受けたグループおよび併用療法を施したグループでは、いずれも飲酒欲求が有意に減少した。
さらに、光刺激を受けたこれらの2グループでは、アルコール依存そのものも低下する効果が確認された。
チョン・ドンイル教授は「経頭蓋光刺激が渇望と依存を同時に減少させることを立証した。薬物治療が困難な患者や飲酒問題の予防を目的とした脳の管理にも応用できる」と述べた。
研究チームは、二つの刺激を組み合わせたオーダーメイドのデジタル治療機の開発も予告しており、治療機の商用化により、地域や個人の状況に最適化された中毒管理システムへと拡張する。
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